暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・29
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よって微妙に味が違う。なので今回は元祖エッグタルトの店と言えるアンドリュー・W・ストウの店『ロード・ストウズ・ベーカリー』のレシピを参考に作ってみた。生地はパイ生地とクッキー生地の2種類で、それぞれ特徴がある。

 パイ生地はバターではなくラードを練り込んであり、バターよりも口当たりが軽くサクサクとした歯触りの良さがウリだ。クッキー生地の方は軽く塩が効いていて、濃厚なカスタードクリームの味を引き立てる。サクサク生地か、カスタードとの相性の良い生地か……甲乙付け難い。そしてカスタードもマカオ風とは違い、焦がさないように低温で焼き上げている為にカスタードの黄色が鮮やかで美しい。味としては焦がすとどうしても生じてしまう僅かな苦味を発生させずに、卵の優しい味わいと濃厚な甘味を堪能できるように気を付けられている。

「で?青葉としてはマカオ風と香港風、どっちが好みだった?」

「ん〜……難しい所ですが、香港風のパイ生地の奴が好きですね。サクサク生地とねっとりカスタードの組み合わせが良い感じです!」

 まぁ、楽しんでもらえてるなら何よりだ。






「そういや青葉、ミルクティーも違うのに気付いたか?」

「そう言えば、秘書艦やった時にたまに飲むミルクティーとは違うような……?」

「折角なんでな。香港名物のエッグタルト食うんなら、香港式ミルクティーの方が雰囲気出ると思ってな」

「香港式ミルクティー……そんなのもあるんですか!」

 香港式ミルクティーというのは、複数の茶葉をブレンドして濃く淹れた紅茶にエバミルク(無糖練乳)を加えて出されるお茶の事だ。複数の紅茶葉に加えてプーアル茶等も加えて濃い目に淹れた紅茶を、ストッキングと呼ばれる木綿の濾し袋で濾し、そこにエバミルクを加えて溶かす。砂糖は飲む人の好みで加えるのだが、通常の紅茶と違ってスピーディーかつ濃い目に淹れる為に香り高く、渋味が強く出る。そこで牛乳よりも濃いエバミルクで渋味をカバーする事によって香りの強さだけを残し、渋味を濃厚な味わいへと変える。

「へぇ〜……勉強になりますねぇ」

「金剛の奴には『こんなの紅茶じゃないデース!』と怒られたがな」

 と苦笑いしてみせる。因みに俺が飲んでるのは鴛鴦茶(えんようちゃ)と言い、香港式ミルクティーとコーヒーを合わせた独特過ぎる飲み物だ。淹れ方も複数あって味わいもそれぞれ違うので、興味のある奴はチャレンジしてみると良いだろう。ただし、美味いかどうかは保証せんぞ?

「いやぁ〜満足です!ちょっぴり香港旅行した気分ですぅ……」

「ハハハ、そりゃ良かったな」

「青葉、この戦いが終わったら世界中旅して歩きたいなぁ〜……なんて思ってるんですよ!」

「いい夢じゃねぇか」

「ありがとうございます
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