第15話 暗雲のエル・ファシル
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陸させ英気を養わせているが、司令部は大忙しで休む暇もないので、タンクベットで2時間睡眠を行い仕事を行っている、その中に顔面に包帯をグルグル巻いてミイラのような姿で左目には眼帯を付けたリーファの姿も有った。
リーファはクリスチアン大尉に殴られて入院中であるが、シャンプール到着後にてんてこ舞いの幕僚を手伝う為に軍医に無理を言って数時間だけという約束で補給の仕事を手伝っているのであった。その姿を見て幕僚や艦隊の将兵達に感心されていた。まあ、余り口が利けない状態なので書類整理等がメインであるが、事務力は十分に発揮されていた。
「候補生、うちの分艦隊3000隻の補給はあとどの位で終わるかね?」
そう話しかけて来たのは、あのウランフ中将であるが、今は未だ准将であった。
そう言われたリーファは、此ですと頷いてから書類を渡す。
「ご苦労さん、余り根を詰めない方が良いぞ」
リーファは頷きながら書類の山と格闘を再度始める。
第8艦隊はエル・ファシル救援の為に全艦隊が一丸となって準備を続けているのである。
艦橋でも臨時編成の補給隊の指揮官が挨拶に来ている。
「司令官閣下、小官は臨時編成の補給隊指揮官マスカーニ大佐であります」
「大佐、今回は宜しく頼むよ」
「はっ」
市街地では、半舷上陸組も休むことも仕事であるからと言われて、英気を養いながら救援を考えているのである。
翌日の30日15時全ての補給と出来うる限りの補修が済んだ艦隊はシャンプール星系を多くの人達の歓声と共に出発した。この時点でも補修が終わらない艦艇や到着できない艦艇が1000隻ほど残っていたが彼等は後続の病院船などの護衛に参加する事になっていた。
エル・ファシル救援に行きたいが星系を守る為に残らなければならないシャンプール星系警備艦隊。そして工廠や工作艦、民間のドック船や貨物船などから航海の無事を祈るの発光信号が発せられている。それを見ながら各艦とも敬礼をしながらエル・ファシルへと向かうのである。
シトレ司令官の命令が下る。
「全艦発進、目標エル・ファシル!」
各艦で力強く復唱がされる。
「「「「「「「「全艦発進、目標エル・ファシル!」」」」」」」」」
次々に分艦隊が進発する。エル・ファシルへエル・ファシルへと。
宇宙暦788年5月30日 午後11時
■自由惑星同盟 エル・ファシル 同盟軍駐屯基地
リンチ司令官やヤン、ラップ等が必死になって避難の準備や折衝を行っている。時間がかかっているのは輸送船の手配や艦艇の無人化ソフトと各艦の同調等を行っていたからである。その頃、参謀長ウィリアム・ジョイス准将以下十数名が密かに会合を開いていた。
「閣下、あんな若造の作戦なんぞ成功するわけがありません」
「そうです、大体
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