【ハンドレッド――《ヴァリアント覚醒》】
【第三話】
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は明るい髪の毛をサイドで結んだボーイッシュな風貌の少女だった。
爪先から頭まで見るカーマイン――。
(小さいな、顔立ちも幼い。容姿は悪くねぇが点数をつけるなら82点って所か)
勝ち気そうな雰囲気を醸し出し、瞳には意志の強さを感じる。
ただカーマインが残念に思ったのはその幼い肢体だろう――今後に期待と思い、保留することにした。
「悪い、コイツらの準備に手間取ってな」
フリッツは現れた少女に慣れ親しんだ様子で答えて、カーマイン達三人に親指を向けた。
「おお、お前達も新入生なのか!」
カーマイン、ハヤト、エミール達三人を見てキラキラと瞳を輝かせながら、少女は自分の胸を軽く叩いて自己紹介を始めた。
「わたしはレイティア・サンテミリオン。フリッツと同じリベリア合衆国の出身で、所謂顔馴染みというやつだ」
「それを言うなら幼馴染みだろ」
呆れたようにそう言ったフリッツは、レイティアの頭に手をおいた。
「そうやって髪に触れるなといつも言っているだろう、バカフリッツ!!」
頭に置かれた手は、レイティアの髪をかき乱す。
無論レイティアは抗議し、歯を剥き出しにして見上げた。
「ちょうどいいところにあるのが悪いんだっての」
「ぐぬぬ……」
フリッツにいなされたレイティアは、悔しそうに顔を歪めた。
そんな二人のやり取りを見ていたエミールは――。
「二人は、随分と仲が良さそうだね」
と、微笑ましそうな様子で口にした。
それを聞いてフリッツは――。
「ちっこい頃から、ずっと一緒だったからな。俺とは違ってこいつはまだちっこくて、子供みたいだがな。乳も、相変わらず育ってないし」
さらりとフリッツがそう言い、当然レイティアは目尻を更につり上げて反発した。
「だーかーらー、子供扱いをするな! 乳の事も言うなっ!」
一通り反論した後に、レイティアはカーマイン達の方へと顔を向けると。
「それより、今度はお前達三人の自己紹介の番だ。わたしはまだ、お前達の名前を聞いていない」
レイティアがそう言うや、ハヤト達が自己紹介するより早くフリッツが紹介し始めた。
「それなら、俺から紹介してやろう。此方の可愛いのがエミール・クロスフォード、んで真ん中の目付き悪いのがカーマイン、ラストが噂の新入生、如月ハヤトだ」
目付き悪いは余計だとカーマインは思ったが、口にはしなかった。
それよりも、レイティアはハヤトの方に食い付く。
「おおっ、お前があのクレア様の記録を破った如月ハヤトなのかっ!」
「あぎゃ……?
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