ペルソナ3
2007話
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それでも、こうして甘えるように鳴きながら顔を擦りつけてくる辺り、まだ甘えん坊……というか、召喚の契約を結んだ俺を親のように思っているのか。
実際、俺の血によって生まれ変わったんだから、そういう意味では親と言われてもそう間違っているような気はしないが。
こうして撫でていても、やはりグリは以前と比べて結構大きくなっているような気がする。
まぁ、ここ最近はグリを呼ぶような機会が殆どなかったから、こうして大きくなっていても理解は出来るんだが。
そのまま数分……俺がグリを撫でていると、やがて真っ先に我に返ったゆかりが、口を開く。
「ちょっ、ちょちょちょちょちょ……ちょっとアクセル! 何よこれ、何なのよこれ!」
「落ち着け。前もって言ってあっただろ? 俺が刈り取る者以外に召喚の契約を結んでいる奴を召喚するって」
「いや、それは……それは分かるけど、でも!」
何かを言いたいけど、言えない。
そんなゆかりの様子に、何故か他の面々も頷くだけだ。
「グリみたいなのが、出てくるとは思わなかった、と?」
「そう、それよ! 刈り取る者の件もあるし、もっと小さなのが出てくると思ってたら……何よ、これは!?」
そこが、ゆかり以外の者にとっても、同様に気になる場所なのだろう。
全員が頷いている様子を眺めながら、俺はグリを撫でつつ、口を開く。
「グリフィンドラゴンのグリだ。なぁ?」
「ギャアアア」
俺の声に、グリは甘えるよう喉を鳴らす。
もっとも、グリの大きさから考えると、喉を鳴らすという程度の鳴き声でも周囲にかなり響くのだが。
「グリフィンドラゴンだからグリって……安直な。もう少し、捻った名前を付けた方がよくない?」
まだグリを恐る恐るといった様子で見ながらだが、ゆかりがそう言ってくる。
「そうか? グリもグリって名前を気に入ってるし、それでいいんだよ。な?」
「ギャア」
俺の言葉に頷くように、グリが喉を鳴らす。
「……まぁ、本人……人? その、グリがそれでいいのなら、私からは何も言わないけど。……それでグリフォンドラゴンだっけ? どういう生物なの?」
「グリフォンドラゴンじゃなくて、グリフィンドラゴンな」
「そうなの?」
「ああ。まぁ、鷲の上半身とドラゴンの下半身を持ってるモンスターだから、グリフォンドラゴンって言いたくなるのも分かる気がするけど。グリフィンドラゴンって種族なのは間違いない」
「へぇ。……ねぇ、アクセル。ちょっとこの子を撫でてみてもいい?」
「構わない。危害を加えなければ、攻撃してきたりはしないからな」
俺の言葉に従い、ゆかりはこっちに近づいてきてそっとグリの身体に手を伸ばす。
もっとも、グリはかなり大きくなっており、頭の高さまでは15m
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