第一話 悪夢の始まり
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ソードアート・オンライン…。
それは世界で初めてVR技術を用いゲーム世界に直接入り込むことができる最新ゲーム機「ナーヴギア」を使ったVRMMORPGである。
このソフトが発表された時、数多くのゲーマー達を興奮と熱狂に包みこんだ。
俺、桐ケ谷和人もその一人である。
このゲームが発表されたと聞いた瞬間、体中に鳥肌が立ち、すぐに予約をした。
そして、わずか千人に限定して募集されたベータテストプレイヤー、つまり正式サービス開始前の稼働試験参加者。
ダメもとで応募したそれに幸運にも選ばれ、ベータテスト期間である二カ月の間、俺は夢中でプレイした。
食事も、学校も、眠ることさえ忘れるぐらいに。
そんな俺も二カ月では100層ある内の6層までしか到達することが出来なかった。
俺は名残惜しくもその世界から現実に戻ってきた。
まるで己の半身を奪われるような喪失感を覚えたものだ。
そしてついにソードアート・オンラインの正式サービスが始まった。
俺はサービス開始と同時にその世界に入り込むために、三十分も前からナーヴギアを頭に装着し、ベッドに寝転んでいた。
そしてサービス開始と同時に俺は呟く、
「リンクスタート」と。
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あらゆるノイズがシャットアウトされ、視界が暗闇に包まれる。
その中央から虹色のリングをくぐれば、そこはもう全てがデジタルデータで構築された世界。
「戻ってきた、俺の世界」
歓喜した。
遂に待ちに待ったこの世界に戻ってこれたのだ。
この瞬間を何度待ち望んだか。
俺は迷うことなく街中を走りだす。
そう、今度こそこのゲームをクリアするために。
懐かしい“はじまりの街”の石畳を踏みしめ、俺は入り組んだ裏道にあるお得な安売り武器やに賭けつけようとした。
その迷いないダッシュぶりから、こいつはベータ経験者だと見当をつけたのだろう。
走り出してしばらくすると、一人の男が俺に声をかけてきた。
クラインというその男は、初心者である自分にいろいろと教えてほしいと頼み込んできた。
俺は彼となし崩しにパーティを組み、とりあえずクラインにこのゲームの基本的な戦い方についていろいろとレクチャーしてやった。
正直俺はゲーム内でも現実世界と同じかそれ以上に人付き合いが得意ではない。
ベータテストの時は、知り合いは出来たが友達と呼べる相手は一人も作れなかった。
しかし、クラインは不思議に此方のふところに滑り込んできて俺にとってもそれは不快に感
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