第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
序章(CP0第一周、結末Cエンド)
第03話 魔軍の侵攻に宣戦布告などなくて
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人バボラを監視しているローゼスグラードの第五軍から連絡がありました」
開戦当初、ヘルマン南部には巨大な魔人バボラが出現した。
小さな砦や村は文字通り踏み潰されたそうだ。
無敵結界を備えた魔人に対してヘルマン軍では対抗する手段が何一つない。
発言者に全員の祈るような視線が集まる。
「魔人バボラはボーン周辺を中心にヘルマン中央部に出没しています。
帝都ラング・バウからも、時々山越しに姿が目視できるそうです」
少しだけホッとした息が漏れる。
不謹慎だが東部ヘルマンに来なくてよかったと思っている者が多数いる。
第四軍が壊滅し、魔軍を相手にするだけでも手一杯なのだ。
「帝都が西と南から狙われてる形か」
番裏の砦側に出現した魔人については、未だ正体が分かってはいない。
しかし常日頃から魔軍を警戒し侵攻に備えていた第二軍が敗れたのだ。
砦が突破され、将軍が命を落とすなど尋常ではない。
ただの魔物将軍が率いる軍が襲っただけだとは、誰ひとり考えていない。
「とにかく法王の要請により、来月の頭に各国首脳が集まることだけは決定した」
現状では各国の首脳が国を離れるのは難しい。
しかし各国が協力もせずに時だけが過ぎれば、今年中には各国が滅びるだろう。
「それまでに何とか防衛の体制を整える」
全員が頷く。連日連夜、ぶっ通しで働いているが文句はいえない。
法王の率いるテンプルナイトの中隊が、密かにヘルマン北部の氷雪地帯に向かった。
五カ月ほど前に氷雪地帯に向かうのを目撃された冒険者一行。
その中に魔人を打倒する力を持った魔剣カオスの使い手がいるそうだ。
自由都市の新興都市CITYに、個人で城を構える大陸最高レベルの冒険者。
ヘルマン革命時には革命軍の精鋭部隊を率いた大将。
噂ではリーザス、ゼスを始めとした各国の争乱にも関わり多大な貢献をしたと聞く。
地位も名声も望まぬ人物なのだろうか、その名を知るの者は少ない。
戦乱の時代、人々は英雄を求めた。
魔王を打倒す、勇者を望んだ。この災厄は平凡な身に余る。
政変で、HZ戦争で、黒死病で、革命で、何度も地獄を見たつもりだった。
ヘルマンは革命を乗り越え、明るい未来を掴んだと……誰もが思っていた。
しかし、それはつかの間の夢だった。これからが人類にとっての悪夢の始まり。
残念なことに、それこそが長い歴史の中で創造神が望んだ正夢だった。
一方、その頃――
ランス一行はコールドスリープ装置から目覚める。
「うわあ! イカマンだ!」
目を覚ますと、目の前には一匹のイカマン。
巨大戦艦遺跡の周辺の壁は、何故か歳月を重ねたようにボロボ
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