第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
序章(CP0第一周、結末Cエンド)
第03話 魔軍の侵攻に宣戦布告などなくて
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「ということは各国にも魔軍の大部隊と共に魔人が?」
「はい。リーザス軍は、魔人ラ・ハウゼルと魔人シルキィ・リトルレーズンと交戦したと」
「またリーザスからの情報提供によると自由都市では、最初の会戦で魔人レイが目撃されたそうです」
現在の大戦争は第二次魔人戦争として公文章に記録されている。
第一次があると言っても、今から五百年以上前の話。おとぎ話の世界の物語だ。
浮遊都市を浮かべ、聖魔教団の魔法使いが、魔法使いでないものを蛮人と呼び支配した時代。
そういえば魔人レイの名前は、魔人が浮遊都市を堕とした昔話で聞いたことがあるな。
ははは、もはや笑い話だ。乾いた笑いでもなければ、やってられない。
開戦当初、東部ヘルマン方面で把握している軍の被害だけで五桁を軽く超えた。
民間人の被害は軍の数倍、戸籍のない自由民を含めれば……もはや計算できない。
各国が似たような状況なら開戦一か月後には、全人類の一割が死んでもおかしくはない。
「とにかく状況は、もはや国家を超えて人類の総力戦です。
北部のウラジオストック、ババロフスクから、ありったけの物資を集めて下さい」
第一軍出身の東部ヘルマン後方司令官が落ち着いた声で指示を出す。
内心は分からないが、司令官の声質に合わせて少しずつ、皆が冷静さを取り戻す。
都市守備隊は後方支援司令部の指揮下に入った形だ。
軍団規模とはいえないが、師団規模の大所帯だ。
僕と同じ大隊長クラスの責任者も複数人いる。僕は黙ったまま静かに情報をまとめていく。
「連絡の取れたコザック周辺の警備隊の責任者は?」
「ルーベラン・ツェール中隊長です」
中隊長が責任者ということは、大隊長は戦死か行方不明ということだ。
「コザック周辺は、魔軍の勢力範囲内です。
こちらから撤退を指示した方がよろしいのでは?」
「いや、都市守備隊が臨時で指揮下にあるとはいっても下手に前線に口を挟まない方がいい」
「そうだ。撤退支援を行っている第五軍に任せた方がいいだろう」
たぶん後方から撤退の命令を出しても受け入れられない可能性もある。
魔軍の勢力範囲内といっても計画都市外には多くの村や集落があり住民がいる。
中隊長ルーベランとは、顔見知り程度の付き合いだが分かる。
彼女は住民を見捨てて逃げることを良しとするような性格ではない。
真面目過ぎて、少々優柔が利かない。そんな性格をしていた。
「とにかくアークグラードが最前線だ。ここが落ちれば西部との連携が難しくなる」
「大変ですが難民は、ゴーラクまで退避させましょう」
「そうだな。北部から集めた救援物資を送るにしても兵站の限度がある」
「魔
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