第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
序章(CP0第一周、結末Cエンド)
第02話 未来あるヘルマンの若者に幸あれ
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の時期に、今まで見習いの扱いだった彼は、正規の警備隊員として採用されている。
見習い扱いの期間が長かったのは、彼の能力の問題ではない。
ヘルマンという国が貧しく、正規軍に比べても警備隊の予算が、ずっと少なかったためだ。
そして二年後、帝国に名を変えたヘルマンで、大規模な黒死病が発生した。
宰相のステッセルは独裁的な権力を確立する為、状況を政争に利用。対応は遅れに遅れた。
総死者数などが国民に知らされることはなかったが、犠牲者は1200万は下らないだろう。
そして中央に近い西部より、東部の方が死者は、ずっと多かった。
彼が警備隊の下士官(小隊長)となったのは、国内が黒死病の対応に追われてた時期だ。
その後、いくつかの質問を交わし、面接を終える。
中央政府に対する反骨心は、それほど問題ではない。
共和政となった新生ヘルマンは、帝政の旧ヘルマンとは違う。
今後は政治の結果によって、それを証明していけば良い。
戦死した父親に関する問題も憎しみが、リーザス王国に向いていないことが確認できた。
かつてと違い隣国のリーザス王国とは、正式に国交が結ばれ、交流が進んでいる。
リーザスに近い東部ヘルマンの都市守備隊の責任者が、反リーザスでは問題だろう。
北方の大国ヘルマンを象徴する漆黒の鎧を身にまとった騎士は、窓から街の外を眺める。
南東にはバラオ山脈の峰々が連なっている。ヘルマンとリーザスの国境にそびえる天然の要害だ。
しかし騎士の心はその反対側の景色。北西にある双子砦に思いを馳せていた。
「レリューコフ将軍、可能性を秘めたヘルマンの若者たちの未来に……」
新しき国の為、双子砦で散った宿将。自らが一端の騎士と慣れたとのは将軍のお陰だ。
都市守備隊の再編任務が終われば、第四軍の教練に加わることになっている。
ヘルマンの南方には魔法大国のゼスがある。しかし間には、キナニ砂漠があり直に国境を接してはいない。
現在ヘルマン軍は、新兵の大半を国境守備隊である第四軍に組み入れている。
先日はゼス四天王の一人チョチョマン・パブリが帝都に訪れた。
新生ヘルマンはリーザス、ゼスの両国とも友好関係を築こうとしており国境警備に不穏な動きはない。
熟練兵は第二軍に配属され魔軍に睨みを利かせる。
第四軍で新兵を鍛え、優秀なもの抜擢し、第一軍、第三軍を再建する。
第五軍に関しては、以前からそうだが、これまで以上に少数精鋭の状態が続くだろう。
しかし革命により、ヘルマンを覆っていた暗雲は取り払われた。
シーラ大統領の下で、ようやくヘルマンは明るい未来を掴んでいけるのだ。
それはヘルマン騎士だけではなく、ヘルマン国民大半の想いだった。
一方、
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