第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
序章(CP0第一周、結末Cエンド)
第01話 ヘルマン共和国の再建
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
LP7年5月前半 ヘルマン共和国 首都ラング・バウ
皇子パットン率いる革命軍による「ヘルマン革命」から半年が過ぎた。
帝政だったヘルマンは、今やシーラ大統領による共和政へと国の形を変えた。
国を二分した内乱は、リーザスとゼス二大国の大規模な軍事的介入もなく二ヶ月月後で終息した。
新たに総司令官となったヒューバートは、陣頭指揮取りながら軍の再編を行っていた。
なんとか想定より人的損害は抑えられたというものの、革命で多くの士官(軍の指揮官)が命を落とした。
第一軍から第五軍まである正規軍の将軍は、第五軍のロレックス将軍を除いて皆が亡くなっている。
軍部の反乱を警戒していた前宰相ステッセルは、軍の予算を最低限に抑えていた。
人間を信頼していなかった彼は、生物兵や機械兵といった「不死の兵団計画」に多額の資金を投下。
兵の強さはともかく士官の育成においてヘルマンは、リーザスやゼスの後塵を拝していた。
ヘルマン人は概して身体が大きく、頑強なものが多い。
だいたい男性は、身長が180前後で普通、170くらいの女性兵も数多くいる。
その為か、他国からは「ヘルマン兵は畑で取れる」と揶揄されていた。
しかし、兵はともかくとして、今は将が足りない。
ヘルマン最強の第三軍は将軍の適任者おらず、総司令官のヒューバートが兼任。
主力である第一軍の将軍に、二十歳にも満たないアミトスが任命されたことからもそれが分かる。
幸いなことに新生ヘルマン共和国とリーザス王国およびゼス王国との関係は、以前ほど悪くはない。
各国の首脳を「俺の女」と呼ぶ無法者の大将として共に戦ったあいつのお陰だ。
これからはヘルマン軍の主戦場は、魔軍と国境を接する番裏の砦になるだろう。
第二軍は堅実なボドゥに将軍を任せ、第一軍、第三軍の生き残りから熟練兵を下士官として再編した。
逆に第一軍、第三軍は革命の戦場で生き残った若手を多く集めた。あの革命が初陣だったという者も多い。
再編計画は五年後、十年後と先を見据えた長期的なものとなるだろう。
十代、二十代の若者たちが経験を積めば大陸最強と謳われたヘルマン軍はかつての陣容を取り戻すだろう。
「その頃には俺も親父みたいに貫禄がついてるのかね……」
貫禄がついてる自分の姿が、想像できずため息をつく。
「ヒューバードさん、どうかされました?」
同じ執務室で、重要書類に判を押していた大統領のシーラが反応する。
「んん? いや、五年後、十年後……俺たちは、どうなってるだろうなって」
「なによそれ。この国の未来をよくするためには、アンタたちが頑張ってるんでしょ?」
秘書のペルエレが呆れたように口を挟む。ちなみにこいつは休憩
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ