第四十四話 二人でお外に出てその十
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「気をつけないとね」
「先輩もですか」
「そうしないとね」
まずはです。
「そこからだから」
「それで先輩もですか」
「自分で注意しないとね」
本当にこう思ってます。
「さもないと何にもならないから」
「他の人に言うよりもですね」
「ええ、まずはね」
何といってもです。
「そこからだから」
「先輩その辺り凄く真面目ですね」
「よく言われるけれど」
真面目とはです、もう少し柔らかくなってもいいと言われたことも一度や二度ではないです。
「真面目だって」
「真面目いいですね、ただ」
「ただ？」
「そこが可愛かったりして」
「えっ！？」
阿波野君の今の言葉には仰天しました、お顔が真っ赤になっているのが自分でもわかりました。
それで仰天したままです、阿波野君に言い返しました。
「なっ、何言ってるのよ」
「ですから可愛いって」
「私先輩よ、その先輩に」
「先輩でも可愛いですよ」
「何処がよ、私ブスって言われたことあるのよ」
「それは言った人の目と心がおかしいんですよ」
阿波野君は笑ってしかも平気な感じで返してきました。
「そこは」
「またそんなこと言って」
「実際にですよ、それにです」
阿波野君はさらに言ってきました。
「僕がいつも言ってるじゃないですか」
「からかってよね」
「そう思います？」
「私が可愛いとかないでしょ」
「本当によく言われません？」
「言われないわよ、いえ」
言われてみればでした、このことは。
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