もう二度と
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「「!!」」」」」
ディマリアがこの日のターゲットに選んだシェリア。その理由は彼女が回復系の魔法を使えるから。だが、第三魔法源を解放した彼女の前にディマリアは散った。
本来ならそれで彼女の負けは確定なのだが今回は状況が違う。ディマリアを倒すためにシェリアも魔法を失ってしまったのだ。その結果、戦いに負けたはずのディマリアの目的である回復役潰しが完了してしまい、アルバレス軍に有利に働くきっかけとなってしまった。
「よく見ろ、シェリア・ブレンディ」
両腕を広げて今の現実を見るように指示する天海。シェリアは彼の言葉と今の仲間たちの惨劇に、膝から崩れ落ちた。
「これがお前が魔法を失った代償だ」
回復役を失ったことにより、一時撤退という選択肢が浮かばなかった魔導士たち。彼らは天海を倒すためにと突っ込んできたが、力及ばず倒されていった。
それでも治癒魔法の使い手がいればまだ勝機はあったかもしれない。だが、シリルはレオンと共に最大の敵に向き合い魔力を消費、ウェンディはシェリアの分までと冷静な判断ができず前線へと上がってしまった。
その結果が今の状況・・・生きている者たちも動くことができないほどに傷付いている。それだけならまだよかった・・・力ない魔導士たちは白目を向いてピクリとも動かない。それがどういうことなのか、誰から見ても明らかだ。
「あたしが・・・魔法を失ったから・・・?」
自分の判断は間違いだったのかと崩れ落ちるシェリア。その姿に心が痛んだのか、天海は頭をかく。
「お前というより、あの時の魔導士の判断だろうな。もし本気で勝ちたいなら、水竜のでも雷竜のでも、時を動かしてやるべきだったさ」
ウルティアは自らの限られた時間の中で三人の時を動かすのでやっとだった。それでもシリルやラクサスなら、もしかしたら結果は違っていたのかもしれない。
「時の魔導士・・・?」
「おい・・・それってまさか・・・」
その時、ジェラールとカミューニが反応を示した。彼らの知る中で時を扱える魔導士はただ一人。
「ウルティアが・・・いたのか?」
彼らと同じ魔女の罪のメンバーであるウルティア。大魔闘演武の直後から姿を消した彼女がこの場に来ていたことに、仲間たちは驚愕した。
「ウルティア・・・そんな名前だったかもしれないな」
「どこ!?ウルはどこにいるの!?」
その名前に一番興奮していたのは彼女を幼い頃から知っているこの女性だった。メルディは痛みも忘れて立ち上がり、大切な仲間の存在がどこにあるのか探していた。
「随分元気な女だな。ちょうどいい」
その瞬間、天海の周りの空気が変化したのがわかった。その場にいた全員が、彼が動き出そ
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