もう二度と
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一切ない彼らの動き。しかし、相手が悪すぎる。
ドンッ ドスッ
「ガハッ!!」
「ごっ・・・」
顔面を強打されて意識が飛び掛けたところでのボディーブロー。挙げ句の果てには踵落としを頭部へと落とされ、地面にめり込んだ。
「ならば私たちが!!」
「止めて見せる!!」
重力魔法と金剛の鎧で相手をしようとしたカグラとエルザだったが、彼女たちで太刀打ちできるはずがなかった。
「その程度で、俺は止められないぞ」
魔力を使いきってでも止めようとしたカグラの重力を感じさせず二人に接近すると、エルザの防御力に優れた金剛の鎧を粉砕し、二人の剣士をなぎ倒す。
「カグラ!!」
「何なんだあいつ!?」
次々に倒されていく実力者たち。その姿に恐怖を抱いた蛇姫の鱗と人魚の踵の魔導士たち。
「あとは雑魚ばかりか。1分もいらないな」
主要人物たちを一掃したことでさらに加速する。恐怖で体を震わせていた魔導士たちを次々に攻撃し、戦場を縦横無尽に駆け回る。その姿は血に飢えた獣を彷彿とさせるほど、狂気に満ちたものだった。
「あぁ・・・そんな・・・」
その様子を見ていたシェリアの瞳から大粒の雫が溢れる。わずか数分足らずの出来事だった。彼女が目にしたのは、力なく地面に伏せる仲間たち。
「天空の滅神魔導士・・・だったか?」
立っているのはシェリアと天海のみ。彼の視線が向けられたと同時に、シェリアの体は大きく震え、ビクついていた。
「お前に一つ問おう。お前はディマリアに勝ったと言えるのか?」
「え・・・?」
彼の質問の意味がわからない。シェリアはディマリアを倒すことに成功した。大切な友達を守るために、己の力を犠牲にして。
「お前は確かに戦いには勝った。だが、勝負には負けたんだよ」
「何・・・言ってやがるんだ・・・」
天海の言葉に反論しようとしたのは、地に付せて起き上がることもできなくなっているシリル。まだ彼が生きていたことに驚いた天海はそちらを見ると、トドメを刺したと思っていた者たちの多くがわずかに動いていることに気が付く。
「ほう。大したものだ。今のでまだ生きていられるとは」
殺したとばかり思っていた彼はまだ生存している魔導士たちの生存能力、力に感心していた。だが所詮は虫の息。いつでも殺すことができるとシェリアに向き直る。
「今日のディマリアの目的は回復役を潰すこと。つまりは貴様を殺すことだ。奴はお前をターゲットに絞り殺そうとしたが、結果的には破れた。
だがな・・・お前は回復役としての機能を完全に失ってしまった。ゆえにディマリアの目的は果たされたのと同義なんだ」
「「「
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