もう二度と
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能。ディマリアの止められた時の中で起きたその事象を知らなかったリオンたちは唯一の希望が絶たれたことに顔を伏せてしまう。
「もしかして・・・レオンがあんなになってたのは・・・」
「・・・あぁ、見てたからだ」
「え・・・」
あの止められた時の中、全員が止まっているように見えていた。だが、あの時実はただ動きを止めて敵の動きを見張っていた者が二人いた。レオンと天海だ。二人は相手が動かないことがディマリアの魔法が理由なのか、それともこちらを伺っているのか判断できずに攻撃に出ることができなかった。それゆえに、静まっていた戦場での彼女たちの会話が聞き取れてしまい、レオンはシェリアの頑張りを無駄にしないためにと普段とは掛け離れた我武者羅な戦い方をしていた。
「そうか・・・気付いてやれずにすまなかった・・・シェリア・・・」
シェリアが魔法を使えなくなったことを聞いて落胆するかと思われたリオンだったが、むしろその逆だった。彼はボロボロの体で立ち上がり、まっすぐに前を見つめる。
「俺たちが勝たねぇと、シェリアの頑張りが無駄になっちまうんだ・・・」
それに続くようにレオンも足を踏ん張らせて立ち上がる。彼らだけではない、他の魔導士たちも痛む体に鞭を打って天海に向き直る。
「シャルル、力を貸して」
「えぇ、もちろんよ」
シャルルに持ってもらい宙へと飛び上がるウェンディ。すると、その隣に同じように飛び上がる人物がいた。
「レオン・・・シェリア・・・ごめん」
それはシリルとセシリーだった。シリルはドロがついた頬を拭い魔力を高める。
「俺、自分のことしか考えてなかった。二人はみんなのことを考えてたのに、自分勝手だった」
エドラスのヴァッサボーネが目の前にいると聞いて動揺し、動けなくなっていたシリル。その直後にレオンからそれを指摘された彼は苛立ち、ますます動きが鈍くなっていた。だが今は違う。
「俺も必ず勝ってやる。シェリアの分も頑張って」
魔法を失ってまで敵を倒してくれたシェリアのためにと少年は奮起する。その吹っ切れた表情を見てレオンは待ってましたと言わんばかりの顔をしていた。
「行くよ!!ウェンディ!!」
「うん!!シャルル!!セシリー!!お願い!!」
「えぇ!!」
「任せてよ〜!!」
空から重力も活用して一気にトップスピードに入る四人。二人は足に魔力を込め、タイミングを合わせて突撃する。
「水竜の・・・」
「天竜の・・・」
「「鉤爪!!」」
二人の息の合ったコンビネーション攻撃。水と風、それぞれが混ざり合ったその一撃は、これまでの技のスピードも威力も優に越えていた。
「普通だな、やはり」
だが、この男はそれを冷めた目で見ていた。
「「ハアアアアアアア
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