暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第68話「上級者向け親子喧嘩」
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て非なる世界。でも、お互いに影響し合うらしいわ。その結果が、私達の失踪。他には……マドカが亡国企業に入るとか、かしらね」

「……どう言う事だ」

「詳しく話す暇があればいいんだがな……」

 突拍子もない事を言われ、思わず説明を求める。
 そして、軽くだが説明してもらった。

 ……なんでも、桜は眠りから醒める前、“神”なる存在と会ったらしい。
 その際に貰った知識が、とあるライトノベルの物語だった。
 その物語の世界と、この世界は非常に似通っているらしい。
 そして、先程言っていた“修正力”。
 それはつまり、その物語の流れにある程度沿うように、運命が決められているのだろう。

「………」

 ……当然だが、信じられない。
 だが、こんな事で嘘を言っても意味がない。
 非常に信じ難いが、事実なのだろう。

「……だが、例えそうだとしても……」

「ああ。俺達が失踪した事実はそのままだ」

「っ……!」

 つい拳が出そうになる。
 だが、今はそんな場合ではない。

「……自分達がした事、ちゃんと償うんだな」

「分かっているさ」

「先に進みなさい。千冬」

 二人の横を通り、私は先へ進む。
 ……先に進んだ二人がどこにいるのかは分からない。
 だが、相手が相手だ。もし負けたなら……私がやるしかあるまい。

「(あいつらがISに乗るのなら……)」

 首に掛かるペンダントに手を当てる。
 そのペンダントは私の新しいIS、想起の待機形態だ。
 ……ISには、ISでしか対抗できないだろう。

「(束は分からんが、桜は二次移行している。……普通にやりあうのでは私が不利……いや、そもそもISが応えてくれるか分からないな)」

 ISは所謂“拒否権”を得た。
 もし、担い手が意思に反する思想でISに乗るならば、動かせないように。
 それは私でも例外ではない。

「(幼馴染として、あの馬鹿どもを止めるんだ。……応えてくれるか?)」

 私とて、あいつらの本来の願いは叶えてやりたいし、私自身も叶えたい。
 そう思って、想起に声を掛ける。









   ―――“チカリ”と、応えるように想起が光った気がした。
















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