最終章:夢を追い続けて
第68話「上級者向け親子喧嘩」
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士をぶつけ合った時。
相殺されるとはいえ、あの時点で私の方が威力は勝っていた。
そうなれば、相手のブレードへの負担は大きいと分かる。
そこから、先程のような流れに持って行ったのだ。
「くっ……!」
「遅い」
すぐに間合いを詰め、銃をブレードで弾き飛ばす。
予備があろうと、すぐに弾いてやる。
「勝負あったな」
「………」
「そう、だな……」
ブレードを突きつけ、そう宣言する。
相手も素直に認め、動こうとするのをやめた。
「……計算なら、最低でも互角と思っていたんだがな……」
「私を侮ったな。何を基準に計算したのかは知らないが、人は成長するものだ。今日の私が昨日までの私と強さが同じだと思ったか?」
「成長込みでの計算だったが……はは、さすがは千冬だ」
思わず舌打ちしたくなる。
正直、私はこの二人とあまり会話したくはない。
……何とも言えないどす黒い感情が湧いてくるからだ。
「……なぜだ」
「ん?」
……ふと、勝手に口が開いていた。
「……なぜ、幼い私達を置いてどこかへ行った」
「なぜ……か」
そして、無意識のうちにそう尋ねていた。
だが、確かに気になる事でもある。
普通……ではない二人だが、それでも理由もなしに子供を置いて行方を晦ますなんてありえない。
「……理由なんざ、考えるだけ出てくるが、どれも“言い訳”の域を出ない」
「そうね。強いて言うなら……“勘”ね」
「っ、言う事に欠いて、それか……!」
ただ“勘”でそう思ったから、私達は置いて行かれたというのか……!
その応答は、私を怒らせるのにあまりにも十分すぎた。
「そうだな。普段から俺達は感覚で動いていた。……だが、よく考えろ千冬」
「もし、私達があの選択をしなかったら、今はないのよ?」
「……はっ」
その言葉に、怒りを通り越して呆れが来た。
あの選択がなければ?笑わせる。
「詭弁にすらならんな。と、言うより、逆の状況も考えられるはずだ。あの選択をしなければ、今よりも良い状況になっている可能性もな」
「……そうだな」
「言い訳もないわ」
そういって、お手上げだと両手を上げる二人。
「なぁ、千冬。“世界の修正力”って知っているか?」
「何……?」
「言い換えれば“運命”や“宿命”とも言えるわね。……桜君と束ちゃんが言っていたわ。もしかすれば、どうあっても私達はあの時期に千冬達の前から姿を消していたと」
「は……?」
“世界の修正力”というワードだけでも意味が分からない。
一体、何を……。
「“平行世界”……ありとあらゆる“IF”が存在する似
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