暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第68話「上級者向け親子喧嘩」
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「……属性を宿せるのは、お前だけじゃない」

「この力……!“土”と“火”か!」

「四季ばっかり見てていいのかしら?」

「っ!?」

 鍔迫り合いをしている場合ではなかった。
 無理矢理ブレードを避け、そのまま飛んできた弾丸を斬る。
 床に倒れ込むと共に足払いを放ち、ブレードの追撃を阻止する。
 そのまま飛び上がるように床を離れ、壁を蹴ってその場から離れる。

「はぁっ!」

「邪魔だ!」

 二つの属性を宿した所で、私には敵わない。
 ブレードを受け流すように逸らし、同時に蹴る。
 その勢いのまま、まずは後衛を潰す!

「は……っ!?」

「危ないわ……ねっ!」

 だが、振るったブレードは躱され、カウンターの蹴りが返ってくる。
 手で防いだが、今の動きに若干驚いていてしまった。

「“水”と“風”か……!」

「ご明察♪」

 その速さと動きは、明らかに普通ではなかった。
 私でも、その動きを即座に捉える事は難しい。
 そして、すぐに捉えられなければ、妨害が入る事も当然だった。

「くっ……!」

「ほらほら!」

「春華ばかり見てるなよ!」

 回避しながら至近距離で弾を撃ってくる。
 攻撃を中々当てれず、僅かに焦った所で、ブレードも迫ってきた。
 劣勢を覆して、また劣勢になってしまう。
 不幸中の幸いと言えるのは、これで相手が一か所に集まった事。
 そのおかげで、間合いを取る事で息をつく暇を手に入れられた。

「(どちらも、二つに限って言えば私と同等の属性を扱える。……そして、そこへこの連携か……。なるほど、忌々しいが、文字通り二人で一人、もしくは比翼連理とでも言おうか)」

 二属性ずつ扱い、連携を取る。
 それによって、四属性を扱う私と渡り合っているのだ。
 いや、連携の分私の方が劣っているか。

「手数、単純な力、戦術、それら全てを二人で行う事で渡り合う……なるほどな」

「ま、一人では敵わないからな」

「千冬は天才の領域なんだから、これぐらいはしないとね」

「ほざけ、それほどの連携を見せておきながら、まるで自分達は天才でもないかのような言いぶりだな。笑わせてくれる」

 あのような連携など、並の人間が取れるはずがない。
 互いの動きがまるでわかり切っているかのような動き、そんなの、互いの心や動きが読めていない限り、並大抵の事では出来るはずがない。

「……秋十やマドカと違って、千冬は私達を恨んでいるのね」

「当たり前だ。どのような理由であれ、黙って子供の前から消えた親を、憎まないはずがない。秋十やマドカがそう考えていないのは、親の顔を覚えていなかったからだ」

 一夏の場合は、親が生きている
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