第10話 戦乱の嵐吹き荒れる!幻想郷はバイト探しも一苦労
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」
奇妙な光景だとばかり見ていた二人の前で、グルグル回っていたマダラの数が突如三つに増えて見えだした。
「ふふふ、これぞマダラの得意とする業【崋山分裂拳】だ。猛烈な速度で走って一瞬で止まる事により目の錯覚で複数に分かれたように見えるのさ」
「それって、調理に全く関係なくないか?」
全くその通りなのだが、とりあえず彼らの好きにやらせるしかなさそうなのでそうしてみた。
「うがあぁぁぁぁ!」
怒号を張り上げながらマダラが飛翔する。そして、食材に向かいその鋭い爪を突き立て・・・られなかった。
「ど、どうしたんだマダラ!?」
「あ・・・あぁ・・・・き、昨日・・・爪切っちゃったから・・・食材・・・切れない・・・・」
「馬鹿野郎! 何で爪を切っちまうんだよ! それじゃ俺達営業出来ねぇじゃねぇか! 親父に怒られちまうよぉ!」
「す、すまねぇ・・・兄貴・・・」
泣きわめくケマダに仕切りにヘコヘコと頭を下げて謝るマダラ。
そんな二人の周りを囲んでどうすれば良いのか困り果てるヒャッハーな店員達。
バットと魔理沙はそんな店内にいたたまれなくなったのか、数刻前には既に店を後にしていた。
***
気が付けば、バットも魔理沙もすっかり意気消沈してしまっていた。
無理もないだろう。人里で働き口を探そうと思ったら思っていた以上に人里内が空気を読めない輩に浸蝕されていたのだから。
それの被害は魔理沙の方が実際大きかったと思われる。
「畜生・・・なんなんだぜ! どうして人里の中にまであんな空気を読めない奴らと会わなきゃならないんだぜ」
「げ、元気出しなよ魔理沙ちゃん。きっとまだケン達の息の掛かってない場所はきっとあるよ」
「俺がどうかしたのか?」
またしても、な展開に魔理沙は恐る恐る声がした方を向いてみた。
出来れば今のが空耳でありますように。出来れば、今の声の主が全く別の見知らぬ極々一般の人でありますように。
そう神にも悪魔にも願う気持ちで振り返った魔理沙の心は、その場にいたケンシロウを見た為に完全に瓦解してしまった。
「畜生・・・何だってこんな時にお前に会うんだよ! 神様の意地悪! そんなにまで私をいじめて楽しいのかよぉぉ!」
「お、落ち着いて魔理沙ちゃん」
「バットよ、魔理沙は一体どうしたと言うんだ?」
魔理沙の心を壊した張本人たるケンシロウ自身は全く身に覚えのない風な顔でバットに尋ねて来た。
かく言うバットも幻想郷に来てまだ日が浅い為にケンシロウがやらかした破壊活動を余り良く知ってはいないでいる。
「ケン。お前俺が幻想郷に来る前まで一体なにやらかしてたんだよ?」
「すまないバットよ。俺がまだ未熟だったばかりに
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