第10話 戦乱の嵐吹き荒れる!幻想郷はバイト探しも一苦労
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して警察はあるのだろうかと、疑問に思っていたバットを他所に、悲劇は起こってしまった。
「おい、ちょっと待てや其処の―――」
さっきまでの気の良さそうだった声から一転、ドスの利いたトーンの低い声がフドウの口から放たれた。
余りの威圧的な声に思わず男は肩を震わせて立ち止まってしまった。
それこそが、男の不運。そして、鈴奈庵の不運であった。
「このクソゴミ屑野郎があぁぁぁ! 俺様の働いてる店で盗みを働くとは良い度胸してんじゃねぇか! 頭から食いちぎってやろうかゴラァァァ!!!」
するとどうだろうか。突然フドウは鬼の形相になり、何故か肌の露出の多い鎧を身に纏い、鈴奈庵の天井をぶち抜き盗んだ男をその両手で掴み上げて頭上でブラブラ揺さぶって脅しを掛けまくっていた。
「な、何なんだぜあれはあぁぁぁ!」
「忘れてた! フドウさんは切れると鬼になるんだったぁぁぁ!」
「結局またとんでもない奴が来ちまったのかよぉぉ! あ、そう言えば小鈴は?」
小鈴と言えば、フドウの足元で突然のフドウの変化に頭の対応が遅れてしまったのか、目が点になったまま微動だにしなくなってしまっていた。
魔理沙が目の前で手を交差してみせても全く反応しない。相当重症なようだ。
「えと・・・鈴奈庵・・・全壊しちゃったけど・・・これ、大丈夫なの?」
「知らん、私は何も知らないんだぜ」
今のバットと魔理沙の取れる行動はただ一つ、たった一つしかなかった。
それは、【他人の振り】をする事だけだった―――
***
最初に目星をつけた鈴奈庵で見事にこけた二人は、次なる仕事場を探す事になった。
そんな二人の目に留まったのは一件の食堂らしき建物だった。
「へぇ、見た事ない飯屋だな。最近オープンしたんだな」
「そうなんだ。あれ? でもあの店の名前って―――」
バットは今一度、店の名前を確認した。其処には【牛丼 牙屋】と書かれていた。
「原作第1話の冒頭にちょっぴり出て来た店がまさかの幻想入りしてるぅぅぅぅぅ!」
バットのツッコミが気になる人はコミックを読むかマニアに聞いてみましょう。
「へぇ、あの店バットの居た世界にもあったんだな」
「うん、まぁね。でも食堂ならバイト経験もあるし問題ないかも」
「良かったな。バイト採用されたらたまに来るからおごってくれだぜ」
「ははは、まぁ多少はサービスしてあげるよ。魔理沙ちゃんには色々と世話になったしね」
「やったぜ! そんじゃ早速面接に行こうぜ!」
意気揚々と店に入る魔理沙。心はルンルン顔はニンマリ。見るからにご機嫌アゲアゲな魔理沙であった。
「ヒャハ――――! 客だぜぇぇーーー!!!」
「ヒハハーーー!
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