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空気を読まない拳士達が幻想入り
第10話 戦乱の嵐吹き荒れる!幻想郷はバイト探しも一苦労
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を使う空気を読まない奴らとは違う事をこの場で話しておく事にする。

「んで、その亜人が此処に何の用なの?」
「実は、幻想郷についた時に財布を持ってなかったせいで今無一文の状態なんだけれど、良かったら此処で働かせて貰えないかなぁ?」
「う〜ん、せっかくだけどもう一人雇っちゃってるからなぁ」

 どうやら既に一人バイトを雇っているようだ。一足違いだったことに少し残念になるバットを他所に、魔理沙が以外そうに食い下がって来た。

「意外だなぁ、一体どんな奴をバイトで雇ってんだ?」
「其処に居るよ」

 小鈴が指差す方、其処にはこの鈴奈庵と言う小さな貸本屋には明らかに場違いなでかさの大男がその巨大過ぎる手でせっせと本の整理を行っている明らかに異質過ぎる光景が映し出されていた。

「な、何だあの山みたいにでっかい奴は? 鬼か何かか?」
「ううん、普通の人間みたいだよ。幻想入りして行く所がないみたいだから此処で働いて貰ってるんだ」

 小鈴が自慢げに言う。その男の背丈と言えば魔理沙の身長を軽く2〜3倍近くは上回りそうな程の巨漢だ。
 無論、その巨漢にバットは見覚えがあった。

「あれって・・・もしかしてフドウさん?」
「おや、その声はもしかしてバットかな?」

 聞き覚えのある声を耳にし、巨漢は振り向いた。男前な角刈りに黒く濃く生え揃った隈髭に、少年少女を虜にするつぶらな瞳を持った心優しき大男。
 彼こそあべし町でも有名っちゃぁ有名なフドウさんその人であった。

「何でフドウさんが貸本屋でバイトを? あべし町では保育園の先生してた筈なのに」
「いやぁ、此処幻想郷には保育園がないみたいなんで、働き口が他にないか探してたら彼女が快く私を雇ってくれたんですよ」

 とても大らかに笑うフドウ。どうやらバットと同じ幻想入りした人間らしいが、バットと知り合いと言うので魔理沙も一安心出来た。

「にしてもあんたでっけぇなぁ。まるで山だな」
「ははは、いやぁ里を歩く子供達にも良く言われるんだよ。まぁ、それが私の取り柄でもあるんですがね」

 物腰も柔らかいし受け答えも普通。場違いな程の巨漢を除けば割と普通な人のようだ。

「・・・・・・」

 楽しそうに談笑する一同の目を盗むように一人の男がこそこそと入店してきた。明らかに怪しさ全開のこの男。
 ふと、バットはその男に目が行った。
 あぁ言う類は必ず万引きとかそれに準ずる行いをすると相場が決まっている。
 その証拠に、店員である小鈴やフドウの目を盗み、本を一冊手に取ると素早く懐に仕舞い込んでしまったのだ。
 明らかな窃盗行為だ。本来ならばとっ捕まえて警察に突き出すところなのだが、生憎此処は幻想郷。
 しかも見るからにあまり文明が発達していないこの人里に果た
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