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空気を読まない拳士達が幻想入り
第10話 戦乱の嵐吹き荒れる!幻想郷はバイト探しも一苦労
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度とあべし町に戻れない危険性すら孕んでいる。
 気を引き締めつつバットは鈴奈庵へと一歩踏み出した。

「いらっしゃい! あれ、見ないお客さんだぁ」

 店内に入るとレジと思わしき場所に一人の少女が居た。朱色の髪を両端で束ねた感じの髪型をした、割烹着とも陰陽師が着る服とも見て取れるような衣服をまとった元気そうな少女だった。
 そして、彼女もまたバットの中では美人に入る部類だったそうな。

「おいっす。繁盛してるか小鈴」
「まぁね、最近幻想入りした本が今爆発的に人気なんだよ。魔理沙も見てってよ」
「ほほぉ、どんな奴なんだよ。面白かったら死ぬまで借りてやるぜ」

 にやにやにやけながら魔理沙は小鈴と呼ばれる少女が差し出した本を手に取ってみた。
 バットも幻想郷で人気になってると言うのに興味を惹かれたので隣で表紙を見てみた。
 タイトルにはでかでかとこう書かれていた。




     【北斗の拳】・・・と―――




「これ俺らの原作の漫画だぁぁぁぁ!!!」

 寄りにもよって原作の原作の作品が幻想入りしてしまったようだ。因みに、何故このビックタイトルが幻想入りしたかは謎ならしく、専門家に聞いてみた所【そう言うのは東方に詳しい人に聞けばよろしかろう】と返答されたと言う。
 尚、この返答を後にその専門家は実家に帰省したと言う。

「な、何だろう・・・何でか知らないけど、私この表紙の人間に見覚えあるんだぜ」

 表紙に描かれている青いジージャンを着ている青年を見て魔理沙は冷や汗が止まらなかった。
 なぜだろう。初めて見る筈なのに何故かこの男に見覚えがある。本当に何故だか知らないが―――

「凄いんだよこれ。核戦争って言う凄い戦いの後で不毛の大地になった外の世界で活躍する救世主の漫画らしいよ」
「そう言えばこないだアリスが人形劇でやってたのと似た感じの話みたいだな」

 魔理沙の予想は当たっている。前にアリスが人形劇に使用した話はこの北斗の拳だったりする。

「どう? 試しに読んでたら。今幻想郷でこれを読まない人はいない位の人気だよ」
「そ、そうなんだ。ま、まぁ・・・気が向いたらその内読んでみるぜ」

 そう言って魔理沙はそっと本を小鈴に返した。

「それで、今日はどうしたの? また立ち読み? それともほんの貸し出し?」
「あぁ、実は私の隣に居るこのバットって奴なんだけどさぁ」
「聞かない名前だねぇ。もしかして、貴方あのカラス天狗の新聞に書いてた幻想入りした亜人?」

 いきなり人を指さして【亜人】呼ばわりされた事にバットは少し動揺してしまった。
 まぁ、幻想入りしたのは間違ってはいないのだろうが、一応これでもただの一般人で通っているつもりだ。
 決して一子相伝の暗殺拳
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