EATING 3
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
<死>を狩り初めて半日が過ぎただろうか?
俺は翼と武器を手に入れた。
何処までも翔べる翼。
全てを貫く武器。
この二つを使い<死>を蹂躙する。
誰も彼もが逃げ惑っている。
「勿体無い、少し頑張れば殺せるのに」
そうすれば、板を奪えるのに。
そうすれば、気持ち良くなれるのに。
ふと下を見ると、一組の男女が逃げているのが視えた。
女が男の手を引っ張っている、姉と弟だろうか。
その後ろには巨体の<死>。
男の方が瓦礫に躓いた。
女が男の前に出て、大の字で庇う。
その姿はとても勇敢で、儚くて、美しかった。
あの女は殺されるのか、捕まるのか…
そう考えると、何故か胸が締め付けられた。
女に巨体の<死>が迫る。
胸が苦しい、もやもやする。
巨体の<死>が口をあける。
「ああ!もう!」
気付けば、巨体の<死>に向かって、珠を放っていた。
数百メートルの高度から光が落ちて行った。
珠は巨体の<死>の頭ごと眼を貫き、巨体の<死>は動きを止めた。
板を奪うべく、地上に降り立つ。
「貴女が助けてくれたの?」
女に聞かれた
「だったら何?そこに居ると邪魔」
女が離れたので巨体の<死>を解体する。
「そ、そのっ、弟と私を助けて頂きありがとうございます!」
女と弟が頭を下げていた。
「あっそ、早く逃げたら?」
「ほ、本当にありがとうございました!」
「………ねぇ、そこの女の人」
「は、はい!」
「さっきさ、そこの男の人を庇ってたけどさ」
解体しながら、続けた。
「もしもアンタが死んでたら、そこの男の人はどう思っただろうね」
女が息を飲んだ。
「ほら、早く行きなよ」
女と男は走っていった。
「でさぁ、さっきからそこで隠れてるクズ、出てきなよ」
上から視えていた。
「クズとは酷いね、天使ちゃん」
出てきたのは頭にバイザーを乗せた若い男だった。
「はぁ?何言ってんの?さっきの一幕を傍観してた時点でクズでしょ?その腰の剣は飾り?」
このクズが敵か味方かは解らない。
とりあえず手を向ける。
「一つ聞くぞクズ、お前…いや、お前等は何だ?」
「…………」
沈黙か…
キュゥゥゥゥン…
「わぁ!待て待て!話す!話すから撃つな!」
バシュォォォォォォ!
「うお!?」
男が剣を抜こうとするが…
「避けるな!」
珠は男の頬を掠り後ろへ飛んで行き
ズゥン…
光の<死>を貫いた。
「俺はこの<死>を狩る、お前達は<死>の仲間か?<死>を狩る者か?」
クズ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ