第五話『イッセー、悪を滅ぼす者』
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』
だが、俺にはコイツがある!
「──イヤーッ!」
俺は十字スリケンを一枚生成して〈倍化〉の力で〈ニバイツヨイ・スリケン〉へと変え、堕天使男に向かって投擲した。
「ぬぅ! 猪口才な小僧め!」
堕天使男も再びスリケン・スティックを生成して投擲。中空でスリケン同士が激突し、相殺。
その間に俺は右に跳躍し、ブロック塀を蹴る三角跳びで堕天使男の左側に回り込み、勢いをそのままに右足の蹴りを放つ。
「キエーッ!」
俺の靴底が、掛け声に釣られた感じで此方を向いた堕天使男の顔面にクリーンヒット。
「グッワァァァーッ!」
錐揉み回転をしながら吹き飛んで、路面にダウンする堕天使男。
俺は蹴りの反動を利用してトンボを切って着地する。ワザマエ!
「見たか! ケン=アスカーズ流カラテの秘技、〈三角飛び蹴り〉!」
≪もはやニンジャなのか、何バカ一代なのか……≫
≪つーか、ケン=アスカーズって誰だよ?≫
おぉう!? ケン師匠が出てくるとは!
≪つい、ツッコミに出て来ちまった。それよりイッセー、突然のニンジャネタは何だったんだ? おかげで一部の連中(歴代赤龍帝)がアイエー≠ニかゴウランガ≠ニかうるせえのなんの≫
そりゃあ失礼。できるだけ自分の手の内を隠す為ですよ。
≪俺は生前、通信教育で〈ケン=マスターズ流格闘術〉のDVDを普及させてたぜ?≫
……。
≪……≫
いや、〈兵藤流闘殺法〉の方です!
≪おう、そうだったか!≫
≪だめだこいつら……≫
そんなやりとりをしている間に堕天使男が再び立ち上がってくる。
「──ウググ……」
だが、足は生まれたての小鹿のように小刻みに震えており、顔を見れば上の前歯が一本欠け鼻から血を流してもいる。
「これで立つとはタフな野郎だ」
≪相棒が手を抜き過ぎなんだ≫
≪イッセー、油断すんなよ≫
わかってます。
「ゆ……許ざん! 許ざんぞ、小僧ォォォォォッ!」
呂律がうまく回らないらしい堕天使男は、憤怒の表情で眼を赤く怪しく光らせながら背中の翼をはためかせて上空へと昇り、途中で止《とど》まると──生成した〈光の槍〉を突撃槍のように構えて、獲物を狙う猛禽の如く俺を目掛けて急降下してくる。
「死ィネェェェエエエッ!!」
「せめて奥義で葬ってやる!」
俺はサウスポースタイルをとり、見極めて〈光の槍〉を躱しながら僅かに身を沈め、〈龍気〉を左拳に集束させて〈赤龍帝の籠手〉ごと〈炎〉に包み込み──
『──“Boost!”』
──更に火力を上げて、左拳をアッパーカットのように天に向けて振り上げて跳躍する。
「──〈昇
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