艦娘とスイーツと提督と・28
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つ可能性がある」
「撤回します」キリッ
「切り替えはえーなオイ、拘りどこ行ったし」
「拘りを捨ててでも得るべき物があると思うんです、私」
そういうしたたかな所は評価すべきなんだろうな、ウン。
「しかし、吹雪型よりも陽炎型の方が不遇だぞ?改二が実装された奴が一人もいねぇ」
「で、でもでも!この間磯風ちゃんと浜風ちゃんにーー……」
「実装されたのは乙改な、乙改。言ってみれば大幅なチューンナップはしたが、モデルチェンジはしてないって事だ」
「でもそれは、陽炎型の皆が私達吹雪型や睦月型なんかの蓄積で作り上げられてて、基礎能力が高いから……」
「まぁ、そういう側面もあるだろうな。上を高くするより底を嵩上げした方が戦略にも幅が出る」
実際、駆逐艦の改二が実装された艦を見ていけば武勲に秀でた艦も多いが、それよりも作られた年代が古い事で性能が他と比べて低い艦娘が選ばれているように見える。
「そうですよ、だから次はきっと吹雪型に」
「それでも、気にする奴は気にするさ。事実、陽炎にもその辺の事を相談された事もある」
「うぅ……」
「ま、そういう小難しい話は現場のお前らが考えるべき話じゃねぇさ。ホレ、ショートケーキのお代わりは?」
「あ、い、いただきます!」
俺がそう言うと、吹雪は皿に半分ほど残っていたショートケーキを口に押し込んだ。いや、焦らなくてもケーキは逃げないからな?
「それにしても……私達って不思議な存在ですよね」
「んー?まぁな」
俺も海軍に在籍して長いが、海軍黎明期の頃の話は知らない。俺が海軍にに入り、提督になった頃には第2世代型……いわゆるクローンによる艦娘の量産化が始まった頃の艦娘が主流だった。実際、ウチの艦娘は全員第2世代型だ。そのベースに当たる第1世代型艦娘は、元は艦娘になる適性のある人間らしい。サイボーグとか、改造人間に近いんだろう。
「確か、元帥閣下の奥様は第1世代の艦娘だったとお聞きしましたが……」
「『元』元帥な、元。今はただの隠居ジジィだよ」
あのジジィの嫁さんというと……三笠教官か。確かに、あの人は第1世代型艦娘だと聞いた事がある。敵は大砲やら機銃やらぶっぱなして来るって中で、刀一本で斬って回ってたとか……どういう神経してんだか。
「第1世代型の方々は、やはり武芸に秀でた方達だったのでしょうか?」
「あ〜……そう聞いてるな。正規空母の第1世代型の適合者はほとんど、弓道の全国クラスの実力者揃いだったとかな?」
三笠教官も、どこぞの古流剣術の道場のお嬢様だったとか聞いたが……本人に確認した訳ではないので定かではない。ただ、その第1世代をベースにコピーしたからこ
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