第二章
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「今日お家に帰ったら久し振りに聴いてみるわ」
「そうされて下さいね」
「そこから何か出て来るかも知れないし」
スランプ脱出の閃き、それがというのだ。
「瓢箪から駒って感じでね」
「そうですよ、ですから」
「ええ、聴いてみるわ」
「そうして下さいね」
後輩の娘は早百合に笑顔で言った、こうしてだった。
早百合は家に帰るとすぐに自分の部屋に入って部屋着に着替えてだった。そのうえで。
自分が好きなパンクやメタル等を聴いた。するとこれまで強張っていた気持ちがほぐれていく感じがしてきた。
そしてヘビメタを聴いてだ、ふとだった。
これを聴きながら書いてみようと思った、すると。
聴きながら書いた字は違っていた、それでだった。
音楽を止めてもその字を書いていった、それでその日は勉強に入るまでに必死に書いていった。そのうえで。
次の日部活でその字を書いてだ、後輩の娘に見せると後輩の娘も言った。
「あっ、何か昨日までの字と」
「違うでしょ」
「ぶっ飛んだ感じが入ったっていうか」
「そんな感じ?」
「ええ、そう思います」
早百合の今の字はというのだ。
「昨日までは何か」
「何か?」
「杓子定規っていうか型に嵌った」
「そんな字だったの」
「はい、ですが今の先輩の字は」
「そこから出て」
「あえて自由にぶっ飛んだ」
そうした字になっているというのだ。
「面白いですよ」
「そうなのね」
「これならいけると思いますよ」
「コンクールに?四段に?」
「どっちもです、それじゃあまずはですね」
「ええ、コンクールよ」
先にそれがあるからだ。
「書いたのを出してみるわね」
「そうされて下さい」
「そうするわね」
早百合も笑顔で頷いた、そうしてコンクールに出品すると入賞した。それで早百合は後輩の娘に笑顔で言った。
「よかったわ、実はね」
「実は?」
「ええ、貴女に言われて音楽を聴いてね」
「それで、ですか」
「ヘビメタを聴いててね」
好きな音楽の一つのこれをというのだ。
「聴きながら書いてみようと思ったら」
「そこからですか」
「書ける様になったのよ。いやまさかね」
こうも言う早百合だった。
「書道とヘビメタが合わさるなんて」
「普通絶対にない組み合わせですよね」
「ええ、けれど書いてみたら」
そのヘビメタを聴きながらそうすると、というのだ。
「書けたのよ」
「よかったですね」
「合わない様に思える組み合わせでも時としてね」
「そこから思わぬものが出るんですね」
「本当にあれよ」
「瓢箪から駒ですね」
「実際にあるのね」
こうしたことがというのだ。
「いや、本当にね」
「やってみるものですね」
「気分転換もね、そうすればね」
「そこか
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