天使のような子と連絡先を交換した
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事すると、南さんは家に向かって走り出した。
これで、南さんと家にいても会話が出来る。あまり大したことないように聞こえるけど、そんなことはない。なんて素晴らしいことなんだろう。
自然とスマホを握る手に力が入る。南さんとのメールでの会話。今から楽しみで楽しみで仕方が無い。
◆
制服から私服に着替え終えた時、丁度スマホがピコンと音を立てた。
画面にはスマホを持つ人は殆ど入れてあるだろう、『RIME』というアプリの通知が。表示されている名前を見ると、『南ことり』とあった。
『話すならRIMEの方がいいかなって思って、こっちも登録したよ! 改めて、これからよろしくね!』
顔文字や絵文字を使った、いかにも女の子らしいメッセージの内容。中には、見慣れない顔文字もある。
これは……鳥をイメージした顔文字だろうか。うん、南さんにピッタリだ。
『わざわざありがとう。こちらこそよろしく』
彼女のメッセージとは比べるのも烏滸がましいほど単純で何の飾り気もない文章。せめて顔文字くらいは使うべきだったかなと、送信してから後悔。
『どういたしまして! それで、何話そっか?』
……それを考えるのを忘れていた。別に話題はない訳じゃないんだけど、盛り上がるか微妙だし南さんにとってつまらないと思われる話題ばかりなんだよね。
速く返事をしなければ。そう思いながら話題を考えてみるけど一向に思い付かず。
そして、結局は──
『南さんにお任せするよ。そうそう、μ'sの練習のこととか合宿中にあったこととか』
──他力本願。いやもう、本当に不甲斐ない。
『それじゃあ聞いて欲しいことがあるの! 合宿中のことなんだけど──』
南さんの話はとても面白かった。合宿中にスランプに陥ったことだとか、だけどそれをみんなで協力して乗り越えたこととか。他にも、些細な日常の一コマなども。
なんというか、充実してるなって思った。
『うん、大体こんなところかな? じゃあ次は神崎くんのこと、知りたいな』
南さん直々のお願い。ここまで言われたら俺のことも話すしかないけど、正直面白くないと思う。
意を決した俺は、南さんにそのことを伝えることにした。
『別にいいけど、面白くないと思うよ? きっと退屈させるだけだと思うんだ』
長文を打ってるのだろうか、返事が遅い。
まさか俺に呆れて返事するのさえバカバカしくなったのかも……? 南さんはそんなことをしないと分かってるけど、やっぱり不安になってしまう。
30秒くらいが経った頃、返事が返ってきた。
『そんなことはないよ。神崎くんのお話って、私にとってとても新鮮で面白いんだ。何でもいいの。私の話
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