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天使のような子に恋をした
天使のような子と連絡先を交換した
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らせて余計なことを言うところだった。
 仮に俺が自爆して南さんへ告白したとしよう。そこで俺の初恋はジ・エンドだ。

 南さんは気付いていない様子だけど、気付かれてもおかしくないような焦り様だ。これから気を付けないと……。

「あっ……もう神崎くんの家……」

「本当だ、いつの間に」

 気が付けば、俺の家の前だった。さっき学校を出たばかりだというのに。15分くらい掛かった筈だけど、体感では5分くらいの道のりだった。
 どうして楽しい時間──好きな人と一緒にいる時間というのはこうも早く過ぎるのだろうか。

 名残惜しいが、ここで南さんとはお別れである。

「じゃあ、俺はここで。また今度ね、南さん」
「あっ──待って!」

 俺が踵を翻したところで、南さんに呼び止められた。
 そして、次の彼女の言葉は俺を驚かすのに十分な威力を持ったものだった。

「あの、良かったらでいいんだけど……連絡先、交換しない?」

「──えっ?」

 その言葉を理解するのに数秒を要した。連絡先ってことはメアドとか電話番号だよな?
 勿論、言うまでもなく嬉しい。俺が翔真だったら二つ返事していただろう。

 だけど──やっぱり気になってしまう。

「…………いいの?」

「えっ?」

「ほら、南さんって人気スクールアイドルだし、そんな人と簡単に連絡先を交換してもいいのかなって」

「大丈夫だよ」

 予想外にも、南さんはきっぱりと言い切った。

「スクールアイドルって神崎くんが思ってるほど制約があるわけじゃないんだ」

「えっ、そうなのか?」

「うん。プロのアイドルじゃなくて、あくまでもスクールアイドルだからね」

 それに……と南さんは続ける。

「神崎くんは友達だもん。友達と連絡先を交換するって普通じゃないかな?」

 彼女の言葉は、俺を納得させるには十分過ぎるものだった。
 どうやら、今まで勘違いをしていたらしい。スクールアイドルといえど、中身はただの女子校生。恋愛だってしたい年頃だ。そこら辺はプロのアイドルと違って制限はないのだろう。

 それに──南さんの言う通り、俺達は友達だ。その友達のお願いを蔑ろにする訳にはいかない。

「──そうだね。南さんの言う通りだよ。分かった、交換しようか」

「わぁっ、ありがとう!」

 メールアドレスと電話番号を交換し、喜びながらも優しく微笑む南さん。
 ああ──本当に可愛いな。見ているだけでも心が癒されるようだ。しかも、南さんの連絡先も手に入ったし一石二鳥である。

「家に帰ったら早速連絡するね!」

「あ、うん。俺もすぐ返信出来ると思うから」

「はーいっ! それじゃあ、また後でね!」

 俺もまた後でと返
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