【ハンドレッド――《ヴァリアント覚醒》】
【第一話】
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ぇぜ」
カーマインも素っ気なく自己紹介した。
――反応数値というのは、適性試験での際にハンドレッドに触れ、測定したものの事である。
カーマインも適性試験で触れたものの、反応数値は平均より少し上ぐらいだった。
知識もそれなりにしかないカーマインは新入生の中でも有象無象の一人――この時の評価はフリッツ自身そう思っていた。
「カーマインだね。僕はエミール・クロスフォード。ブリタニア連邦、グーデンブルグ王国出身で、ハヤトと同じ武芸科の新入生だよ」
何かとハヤトハヤトというこの中性的な男がエミールかとカーマインは思う――だがカーマインは妙な違和感を感じた。
男で華奢な身体つきは居なくはない、だが制服越しとはいえある程度筋肉がついていて多少ガタイが男らしいのが殆どの中で、はっきりいえば女にしか見えないエミール。
そして声変わりしてないのか、高めの声と決め細やかな肌――。
一瞬怪訝な表情を浮かべたカーマインだったが、小さく口角を釣り上げると――。
「あぎゃ、よろしくなエミール『ちゃん』」
「……僕、男の子だよ? エミール君じゃないの?」
「あぎゃぎゃ、すまないな。あんまり華奢な身体だったんで――」
「そ、育ち盛りだからこれから大きくなる予定だよ!」
カーマインの失礼な応対に頬を膨らませたエミール――だがカーマインはますます疑念を抱いた。
「最後は俺か……。如月ハヤト、よろしくな」
そう言って手を差し伸べてきたハヤトに、カーマインは――。
「あぎゃ……男と手を握る趣味はねぇが……。よろしくな、如月」
「ハヤトで良いさ」
「あぎゃ、わかったぜハヤト」
差し出された手を握り、握手を返す。
言葉遣いは悪いがこういった礼儀に対して筋は通す奴なんだなとフリッツは思う。
フリッツもハヤト同様に握手を求めて手を差し伸べると――。
「あぎゃ……よろしくな、フリッツ」
「よろしく、カーマイン」
そんなややり取りの最中、エミールは羨ましそうにハヤトの手を見ると――。
「いいな、皆ハヤトと握手して。僕もハヤトと握手したい」
「いや、今更握手して挨拶なんて必要ないだろ……。出会い頭の強烈な挨拶があったんだしさ」
そう言ってハヤトはさっきのやり取りを思い出す、中性的な顔立ちゆえにドキドキしてしまったのだと無理矢理納得した。
「っと、そうだ。今からお前たち三人を部屋に案内するから着いてこい。それが新入生リーダーの俺の役目なんだ。まだ部屋に案内していない新入生は、お前たち三人だけだからな」
そう言って歩き出すフリッツに、ボストンバックを
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