ペルソナ3
2005話
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う告げ、携帯に順平の写真を表示する。
不良達はその写真をじっと見るが……誰も見た、という者はいない。
「言っておくが、ここで隠しておいて、後でそれが分かったら……」
そこで意味ありげに言葉を止め、マサに視線を向ける。
吐き終わって立ち上がったマサは、俺と視線が合うと畏怖とも呼ぶべき視線を向けてきた。
さっきの一撃で、俺が絶対に自分の勝てない相手だと、そう理解したらしい。
それは間違ってる訳ではない。
いや、寧ろさっきの短いやり取りでそれを理解した辺り、やっぱり色々と才能はあるんだろうと思う。
大人しく格闘家か何かになれば、大成功……とまではいかないが、そこそこの成功はするかもしれない。
「いや……俺はこんな奴見た事ねえぞ」
「俺もだ」
その言葉を皮切りに、その場にいた者達はそれぞれそう言葉を返すが……生憎と誰も見た覚えのある奴はいなかった。
ちっ、時間の無駄だったか。
「分かった。もう行っていいぞ。けど、カツアゲなんて馬鹿な真似はもうするなよ。お前達の顔は覚えたから、今度同じような事をしてるのを見た時は……」
笑みを浮かべ、地面に落ちている石を手に取る。
そうしてゆっくりと握りしめていくと……俺の手の中で、石は音を立てながら細かく砕けていく。
そうして最終的には砂……とまではいかないが、粉々になった石が地面に落ちる。
その気になれば、それこそ粉にするどころか、それを燃やすような真似も容易に出来たのだが……それをやると、少しやりすぎという事になりそうだったので、取りあえず止めておいた。
「この握力で、お前達の身体を思い切り握ったらどうなるのか……それを自分で楽しみたい奴がいたら、同じような真似をするといい」
笑みを浮かべてそう告げると、その場にいた全員が蒼白な顔色になりながら首を横に振る。
「それと、この写真の男の情報をしっかりと頼むな? 誰かが何かの情報を持ってくればよし、何の情報もない場合は……そうだな、またお前達の前に俺が現れる可能性が高いかもしれないな。それこそ、今度俺が握るのは……さて、どうなるだろうな? もしかしたら、お前達の身体かもしれないぞ?」
「ひぃっ!?」
男の1人の口から、悲鳴が上がる。
今の状況を考えれば無理もないと思うが、出来ればもう少し根性を見せて欲しい。
そう思うのは高望みしすぎか?
ともあれ、こうして情報を得るようにした以上、もうこいつらに用はない。
後は、他にも何か情報を……
「ま、待て。待ってくれ!」
その場を立ち去ろうとした俺に声を掛けてきたのは、マサ。
へぇ……今の状況で俺に声を掛けてくるとか、結構度胸があるな。
「何だ? 俺の命令に従うのが嫌なのか? なら、こっちも…
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