暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2005話
[3/5]

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 そう思いながら、俺は殴りかかってきたマサの拳をしっかりと見る。
 何らかの格闘技の経験はあるらしく、拳の振るわれる速度はそれなりに速い。
 マサが自慢げに語るのも、理解出来ないではないが……

「ぐっ!」

 拳を回避し、マサの横を通り抜けざまに腹にカウンターとして拳を突き入れ、すれ違う。
 マサは、そのまま短い呻き声を上げながら、地面に膝を突く。

「……え?」

 マサの仲間の1人が、何が起きたのか理解出来ない様子で、間の抜けた声を上げる。
 今の一連の動きが分からなかったのだろうから、それも理解出来ない訳ではない。

「うげえええええ」

 腹を殴った衝撃で、胃の中のものをその場に吐き出すマサ。
 やっぱり荒垣がこいつにやられたのは、制御剤の副作用以外のなにものでもないな。

「マ、マサさん!?」

 吐いているマサを見て、取り巻きの1人がそう叫ぶ。
 この連中にとって、マサというのは力の象徴だったのだろう。
 実際、ある程度の実力を持っていたのは間違いない。
 ポートアイランド駅の裏側でも、それなりに地位を確立する事は出来ただろう。
 ただ、あそこは不良の溜まり場ではあるが、同時に何故か格闘技をやっている不良も多い。
 それこそ、最強の不良を目指しているというか、文字通りの意味でのバーリトゥード……何でもありの戦いを求めているような奴が集まっている。
 もっとも、何でもありってのはあくまでも格闘技としての何でもありって奴で、ナイフとかの刃物を使うのは当然駄目だし、拳銃なんかも当然却下だ。
 色々と制限の多い何でもありというのは、正直どうかと思うんだが……まぁ、それはそれで良しとしておく。別に俺がそれに関わる訳ではないし。
 ただ、大魔王とか何とかで、何気に俺はあの辺りの隠しボスとか、そういう扱いになってるらしいんだよな。
 今年の冬にあの辺りで暴れたのが、ここまで尾を引くとは正直思わなかった。

「さて……そろそろいいか?」

 ようやく吐くのが終わったマサと、俺が実はマサよりも圧倒的な強さを持っているという事を知り、出来るだけ早くこの場から逃げ出したいと思っているその取り巻き達を一瞥する。
 俺と視線が合った取り巻き達は、一気にその場から逃げようとするが……

「ここで逃げたら、どこまで追っていくぞ。安心しろ、少し情報を聞きたいだけだ」

 そう言うと、逃げようとした動きをピタリと止める。
 もしかしたら、俺が本気でどこまでも追ってくるのかもしれないと考えたのか、それとも情報を教えれば俺が本当に何もしないと考えたのか……その理由はともあれ、わざわざ追うような真似をせずに情報を得られるというのは大きい。

「ここ何日かで、こいつを見た事はないか?」

 そ
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