【ハンドレッド――《ヴァリアント覚醒》】
【プロローグ】
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呼ばれる異種生命体だった――この街を一瞬にして壊滅させたのは。
無数に現れたサベージが街を破壊する中、それらを遠目で目撃していた赤髪の青年はまたも獰猛な笑みを浮かべた。
「あぎゃ、あぎゃぎゃ! 最高じゃねぇか! 混沌とする世界に異形の生命体! クックックッ……だから、生きる事を辞められねぇんだよな!!」
間近で確認しようと青年は走り抜ける――街の中心部にある公園を抜けようとした時だった。
「あぎゃ? こんな事態に眠ってる餓鬼が居やがる……」
小さく寝息をたてる少女、何処かのお嬢様なのかフリルのついた可愛らしいドレスを身に纏い、美しい銀髪が陽光で輝きを放つ。
「……チッ! このままじゃ死んでしまうぞ、お前!」
大人が死ぬことには何も思わない青年も、流石に子供が死ぬのは目覚めが悪い。
起こそうと身体に触れようとした時だった。
「その子に触るな!」
「あぎゃ?」
起こそうとした手が止まる――振り向くと、土埃でみすぼらしい姿になった男の少年が居た。
少年の目に青年がどう映ってるかは定かではない。
息を切らしてるのか、肩で呼吸をする少年に、青年は見下ろすように立ち上がる。
「……小さな女の餓鬼に興味はねぇよ。あの化け物が現れてる中暢気に寝てる餓鬼を起こして逃がそうとしてただけだ」
「……そうだった! サベージが来てるんだった! 起きて!」
青年を押しどけ、少女の身体を揺する少年――青年は少年の口から出たサベージという言葉と異形の生命体を見てピンと来た。
「……あぎゃ、サベージって言うのか……あれは」
街を破壊する異形の生命体を見た青年――後ろでは少女が起きたのか二人の問答が聞こえてきた刹那――空から現れた新たなサベージが青年達の前に着地した。
その衝撃に地面は揺れ、近くの池から水が溢れ出る。
咄嗟に腰に手を回した青年は拳銃を引き抜くと叫んだ。
「餓鬼供! 俺様がこの化け物を引き付けてやるからその隙に逃げやがれ!」
返事を待たずに発砲――放たれた弾丸は皮膚に弾かれたが化け物の注意を向けさせることに成功した。
巨体な体躯――約四メートルの化け物相手に対峙した青年はギラギラとした目付きで睨み返した。
「あぎゃ! てめえの相手は俺様だ!」
逃げ惑う人々が見たら皆が思う――狂気の沙汰だと。
巨体から繰り出される攻撃を避け、拳銃で弱点に思える場所へと弾を撃ち込む青年。
軽やかな身のこなしで腕の鋏による一撃をよける――僅かに掠めたのか、腕に切り傷が出来、鮮血が滴るが青年は気にも止めなかった。
遠くで轟く轟音――戦車の砲
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