第四十七話 海はなけれどその五
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「そういうことか」
「戦士ですしね」
「いつも鍛えててな」
「体格もいいのです」
「よくわかったぜ、それでこの連中の中にひょっとしたら」
「彼がいますね」
七人目の仲間がというのだ。
「ですからまずは話を聞いていきましょう」
「それじゃあな」
「とりあえずはね」
今度は源三が言ってきた。
「お話に応えてくれそうなバイキングの人に聞いてみようか」
「そうしようか」
「これからね」
「ではです」
今度は進太が久志に言ってきた。
「このバイキングの長に聞きましょう」
「そうだな、じゃあな」
久志は進太の言葉に頷いた、そうしてだった。
バイキング達の中で最も年長でかつ立派な身なりの大男の前に来てだ、軽い挨拶の後でその者に尋ねた。
「あんたがこのバイキングの頭か」
「そうだ、この連中を率いている」
濃い金色の髭に白いものが混じっている、目の色はアイスブルーで年齢を感じさせるが筋骨隆々の身体をしている。頑丈そうな鎧は魔法の品か銀色に光っている。
「頭と言われている」
「そうか、やっぱりな」
「それでその頭のわしに何の用じゃ」
「バイキングの中に外の世界から来た奴がいるって聞いたんだよ」
明るく笑ってだ、久志は頭にダイレクトに言った。
「そいつのことを知ってるかい?」
「ああ、あいつか」
頭は久志の言葉を聞いてすぐにこう返した。
「あいつなら今はここにおらんぞ」
「何だよ、知ってるのかよ」
「昨日一人で湖に船で出た」
「一人でか」
「クラーケンが出たと聞いて倒しに行ったわ」
「おいおい、クラーケンをかよ」
「そうだ、クラーケンを倒しに行くと言ってな」
頭はその湖の方を見つつ久志と仲間達に話した。
「昨日出てな」
「今はここにはいないんだな」
「強いが無鉄砲でしかも強い奴を戦うのが好きでな」
「クラーケンって相当に強いよな」
「でかいのになると小島程はある」
そこまでの大きさだというのだ。
「そして何本もの巨大な腕を持っておってな」
「烏賊か蛸だよな、要するに」
「でかい蛸じゃ」
それがクラーケンだとだ、頭は久志に答えた。
「クラーケンはな」
「こっちの世界ではそうなんだな」
「こっちの世界?あいつと同じことを言うな」
「俺達もそうだからな」
笑ってだ、久志は頭にこのことも話した。
「それでこの島ひいては世界を救う為にな」
「それであいつをか」
「仲間にしたくてここに来たんだよ」
「成程な、そういうことか」
「さっきの五冊の時は言ってなかったけれどな」
「今わかった、それであいつはな」
「湖に出て行ってか」
「おらんわ」
「よし、じゃあ俺達も行って来るな」
まさに即断でだ、久志は言った。
「そしてな」
「まさか御前さん
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