ペルソナ3
2004話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
さて、当然の事ではあるが、幾月がタカヤと一緒に消えたのは大問題だったが、そんな幾月とタカヤが消えたのと同時に順平が消えたのも、色々と問題がある訳だ。
「あれ? 今日順平は休みか?」
そう、例えばこうして学校を欠席しなければならないといった風に。
「うん、ちょっと家庭の事情で休む事になったんだって。いつ戻ってくるのかはちょっと分からないみたいだ」
友近の言葉に、有里がそう告げる。
何故か行方不明になった……という事を説明する訳にいかない以上、取りあえず家庭の事情という風に説明しておくのは間違いなく最善の選択だった。
いや、実際に順平の家族にどうやって事情を説明したのかは分からないが、取り合えず家庭の事情という事にしておけば、暫くは問題ない。
もっともこれで順平がずっと休み続ければ、最悪出席日数不足という事で、留年という扱いになる可能性も決して否定出来ないのだが。
幾ら桐条グループとはいえ、出席日数を何とかする事は……いや、そこまで難しくはないのか?
ただ、月光館学園の理事長をしていた幾月がいなくなったというのは、やはり大きい。
その辺りの事情を考えると、さて、一体どういう具合になる事やら。
分かっているのは1つだけ。
……そう、元々赤点ギリギリの順平が学校を休むという事は、次のテストがより厳しくなる、という事か。
いや、それ以前にテストを受けられるのかどうかも微妙なところだが。
順平の奴、これが原因で留年したら泣くに泣けないな。
「家庭の事情、ね。もしかして、遺産相続で揉めたとか、そういうのか?」
「いや、何でそんな事になるんだよ。……まぁ、詳しい事情は俺も知らないし、有里も知らないよな?」
そう告げて有里に目で合図を送ると、それを理解したのだろう。有里も頷きを返す。
「うん、残念だけど僕もその辺は知らないんだ。プライベートな事だし」
「うーん……順平の奴、本当に大丈夫だといいけど」
友近の隣で話を聞いていた宮本が、こちらは本当に心配そうに呟く。
宮本の場合は、剣道部で同じ部活だというのも影響しているのだろう。
特に順平は、剣道の強豪として名高い月光館学園の剣道部でも、その実力を発揮して存在感を出しているのだから。
「取りあえず、今はその辺りを心配しても意味はないだろ。それより……」
「はい、座ってちょうだい。そろそろ朝のHRを始めるわよー」
鳥海が入ってきてそう告げ、結局話は途中で終わってそれぞれが席に戻っていく。
「さて、2学期が始まってから数日ですが、転入生を紹介します」
ざわり、と。鳥海の言葉に生徒達が騒ぎ出す。
いやまぁ、何だかんだと普通であればクラスに転入生がやってくる事なんて滅多にない出来事だしな。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ