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おぢばにおかえり
第四十四話 二人でお外に出てその九

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「それから出来た教会でね」
「奥華でも古い方ですよね」
「平野の方に一番古い教会があるけれど」
「僕そこの系列ですよ」
「あっ、そうだったの」
「はい、大阪の平野区ですよね」
 阿波野君は商店街を進みつつ私に言ってきました。
「あそこです」
「そうなのね」
「それで布教所の信者なんです」
「成程ね、そういえば私って阿波野君のこと知らなかったわ」
 今の今までそうしたことはです。
「平野の方の信者さんだったのね」
「そうなんですよ、これが」
「意外ね」
「いえいえ、そこでいつも可愛がってもらってまして」
「それはいいことね」
「はい、最近大教会にも行かせてもらいました」
 八尾市のあちらにもというのです。
「駅から結構離れてましたね」
「電車で来てるのね」
「近鉄で」
「そこまでして行ってるのね」
 何か感心しました。
「偉いわね」
「はい、僕偉いですわね」
「そこで自慢しないの」
 何でいつもこう言うのか、お調子者というか何といいますか本当に困った子です。入学の時から思います。
「こうまんよ」
「あっ、それですか」
「阿波野君はそっちのほこりがあるわね」
 八つのほこりの中で、です。
「注意しなさい」
「そうします、ただ僕は」
「阿波野君は?」
「他にも色々ほこりありますんで」
 自分で言ってきました。
「注意しますね」
「そうしてね」
「はい、自分でそうしてきます」
「まずは自分からだからね、私もね」
 かく言う私自身もです。
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