第十二幕その一
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第十二幕 また来たいと
先生達は最後の一日も奈良を巡りました、今度は興福寺に来ましたがその興福寺の中においてです。先生は皆にこうお話しました。
「昔このお寺は凄い力があったんだよ」
「東大寺みたいに?」
「そうだったの?」
「いや、ずっとかな」
東大寺よりもというのです。
「力があったかな」
「あのとても大きなお寺よりもなの」
「力があったんだ」
「あんな大仏さんがあるお寺よりも」
「ずっとだったの」
「そう、室町幕府の頃はね」
江戸時代の前の幕府です、足利尊氏さんが開いています。
「奈良県、大和一国の守護だったしね」
「お寺なのに?」
「お大名さんみたいに」
「当時は守護だったよね」
「大名のお家みたいにそうしていたの」
「そうだよ、お寺だったけれど」
それでもだったというのです。
「元から力があってね」
「大和一国を治めていた」
「他にも大きなお寺があったのに」
「それに神社だってあったのに」
「お侍さん達もいたのに」
「そうだったんだ」
まさにというのです。
「百万石と呼ばれていたけれどね」
「凄いね」
「百万石なんて」
「日本じゃ凄い石高よね」
「一口に百万石といっても」
「江戸時代でも相当なものだったよ」
実際にとです、先生は皆にお話しました。
「百万石になると」
「大名さんだともう天下一?」
「それだけ?」
「もう凄い力がある」
「そんなお大名さんだったのね」
「そう、だから当時の興福寺はね」
その歴史を感じさせる境内においてお話するのでした。
「もう凄い力があったんだ」
「そうだったのね」
「下手なお大名さんよりも強い」
「そんな感じだったのかしら」
「僧兵も沢山いてね」
武器を持って戦うお坊さん達のことです、昔はそうしたお坊さん達もいてお寺を守ったりしていたのです。
「それでね」
「戦になっても強かった」
「そうだったの」
「そうだったんだ」
実際にというのです。
「このお寺はね」
「ううん、凄いお寺だったのね」
「そうだったのね」
「このお寺って」
「そんな歴史があるの」
「そう、そして持っていた書物とかも」
こちらもというのです。
「かなりあったんだよ」
「力のあるお寺だったから」
「それだけに」
「そうだったんだ、ここはね」
まさにというのです。
「それだけのお寺だったんだ」
「お経とかも沢山あったのね」
「とても価値のある」
「そうだったの」
「うん、お経を詠んでいると」
先生はこちらのお話もしました。
「やっぱり心が清らかになるよ」
「聖書と一緒だね」
ガブガブは先生のお話を聞いてこう言いました。
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