暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第106話 戦うか、逃げるか
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気絶に近い勢いで倒れ込み、シィルは勿論、リアも心配をしていたが 大丈夫だと言ったのはユーリ。

『オレもアレの傍にいて、アレだけの瘴気を叩きつけられて、……正直ヤバかった。単純な話、ランスはアレと相対するにはレベルが心許なかったんだろう。だから その反動が今きた様だ。戦いはレベルだけじゃないんだが……それでも絶対的な影響は間違いないからな』

 そう言うと、シィルに目を向けた。

『だが、かけておいた方が間違いなく良い。時折ヒーリングを頼めるか? シィルちゃん』 
『は、はい。勿論です』

 シィルは直ぐにランスの元へと駆け寄ってヒーリングをする。
 それを見た志津香は、ユーリの脇腹を小突く。

『何言ってるのよ。……この場で誰よりも休まなきゃいけないのはユーリの方でしょ? 何でもかんでも他人優先してんじゃないわよ。ちょっとは自分を労わりなさい』
『あぁ。返す言葉もない……と、言いたいが、オレはまだ大丈夫なんだ。……クルック―とセルさんのおかげでな』

 ユーリは名を呼んだ2人を見た。
 ランス程……ではないが、2人にもかなりの疲労の色が見える。クルック―は表情には出ないと思われがちだが、それでもユーリには判るつもりだ。……相当消耗していると言う事に。

『大回復。……助かったよ。打ち合わせ通り、と言うだろうが、アレは相当高度な魔法だ。今もきついだろ?』
『いえ、仲間であれば当然です』
『そう、です。あの場で私が出来る事をしただけで……。ユーリさんがいなければ、皆どうなっていたか……』

 必死に錫杖で身体を支えるセルと、立ってはいるものの、薄く壁にもたれ掛かってるクルック―。そんな2人に笑いかけるユーリ。

『それでも礼くらい言わせてくれ。……今はゆっくり休むと良い。ロゼ。頼めるか?』
『はいはいな。もち、アレと相対しに行くんなら、もー、そこまではいかないからね? ちゃんとあたしの100分の1くらいは働くアイテムは渡しとくからさ』

 ロゼはその露出度の高い装備の何処から取り出したんだ? と思うくらいのアイテムを颯爽と取り出していた。
 中でも 『月の加護(微)』は 2人の疲労は勿論、この場の人間全員に効果があるから最高のアイテムの1つだ。

『ロゼはパネェよな……? 薬屋のオレも頑張らねぇと……。大奮発だ。世色癌シリーズばんばん放出キャンペーン、ってな』

 ミリも負けじとアイテムを散財。
 バカバカしいやり取りにも聞こえない事はないが、それでも助かる事この上ない。

『ユーリ。……ここで体力回復に努めるのは賛成だ……が、あまり うかうかも出来ないんじゃないか? アレが動き出せば、瞬く間に地獄へと変わるぞ』
『……うむ。まさか魔人どもの目的が かの魔王の復活を目論んでおったとは。……
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