第5章:幽世と魔導師
第151話「激闘の一方で」
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「……え……?」
「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」
―――“滅獄炎”
けど、その砲撃は減衰させられた。
霊力を伴った咆哮に加え、焔を集束させて相殺に持ち込んできた。
当然、溜めが少なかったとはいえ、全力で放った砲撃だ。
相殺なんてことにはならなかった。けど、威力は半減させられた。
……こうなれば、当然の如く耐えられてしまう。
「(一足遅かった……!)」
これなら、威力をもう少し弱めてでも早く放つべきだった。
しかも、今のぶつかり合いで折角張った結界は破られてしまった。
「っ……!」
―――“バリエラ”
咄嗟に、ジュエルシードを三個使い、障壁を三枚張る。
そこへ龍の尾が叩きつけられた。
「っぁっ!?」
攻撃自体は防御出来た。しかし、霊力を伴った衝撃波は別だった。
ダメージ自体は少ないものの、私は大きく吹き飛ばされる。
何百メートルも一気に吹き飛ばされ、地面に着地する。
幸い、建物に激突する事はなかったけど……。
「しまっ……!?」
そこは、どこかの学校だった。
学校は、よく広域避難所に選ばれやすい。
……つまり、ここも例外ではなかった。
「っっ……!!」
周りを見れば、パニックになって逃げだそうとしている人達がいた。
当然だ。……龍は私を追いかけてここに急接近しているのだから。
「シュライン!!ジュエルシード!!」
〈全力で防ぎます!!〉
結界で隔離している余裕はない。
咄嗟に張った結界では、魔力を僅かにでも持っている人達は巻き込まれてしまう。
だから、私が防ぐしかない。
「ぁあああああああああああああああ!!!」
―――“Avalon”
空へと飛び立つ。そして、防御のための魔法を発動させる。
向かう先は、龍。それが振るう巨大な尾。
先ほど私を吹き飛ばしたのよりも強力な一撃が、ここへ叩き込まれようとしていた。
……でも、そんな事は……!
「させ、ないっ!!!」
ドンッッッ!!!
巨大な魔法陣が展開され、その上に青と黄金を基調とした模様の鞘が出現する。
そこに尾は叩きつけられ、拮抗する。
「っっつぅううううう……!!」
魔法陣で足場を作り、踏ん張る。
守る範囲を広くしたため、楽に受け止められない。
「あ、あれは!?」
「防いでいる……のか?」
下にいる何人かが、私に気づく。
まずい。早く次の判断をしないと。
「(守りながら戦う……一応、可能だけど守り切れるとは限らない。じゃあ、隔離?でも、それだと結界に巻
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