第5章:幽世と魔導師
第151話「激闘の一方で」
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ぶつけるも、弾かれる。
「厄介なぁ!?」
近接戦をすれば、瘴気に武器が蝕まれる。
かと言って、遠距離自体があたしはあまり得意じゃないし、“薔薇姫”も遠距離攻撃を手に入れた事からアドバンテージがある訳でもない。
そして、自力では相手の方が上。
……面倒な事この上ないね……!
「(浸食されたレイピアは、形を保つ事が出来ずに崩れる……それなら、魔力や霊力で補強しておけば、しばらくの打ち合いは耐えきれるね)」
飛び退く際に手放したレイピアは、そのまま瘴気に浸食されて崩れていった。
確かに厄介だけど、すぐに浸食されて壊れる訳じゃない。
それなら、まだやり様はあった。
「はぁあああっ!!」
「……!」
全力て身体強化を施し、一気に攻め立てる。
いきなりの猛攻に、“薔薇姫”も若干怯んだようだ。
そのまま近接戦に持ち込み、浸食で崩壊するレイピアを捨てつつ戦う。
少しでも大きく弾かれれば、レイピアを射出して牽制する。
同時に死角に回り込むように移動し、突きを放つ。
蝙蝠化で躱されようと、構わない。魔力を放出して撃ち落とす。
「(魔力は魔力結晶で余裕がある。その余裕があるうちに、片を付ける!)」
長期戦になれば、不利になるのはあたしの方だ。
だったら、優ちゃんとの戦いで得た、導王流の戦い方を使って、一気に攻める。
全ての攻撃とはいかなくても、一部の攻撃を適格に捌く事が出来た。
おまけに、隙も大きく作る事ができる。
「はっ!!」
「っ……!?」
―――“神撃”
導王流もどきの動きで、レイピアを大きく弾く事に成功する。
その瞬間に、一度あたしはレイピアを手放す。
そして、懐に入り込み、蝙蝠になって逃げられる前に、霊術を叩き込んだ。
しかも、その霊術は使うのは苦手とはいえ、あたしのような吸血鬼や、瘴気などには効果的な聖属性の霊術。
つまりは、今の“薔薇姫”にはこの上なく効果的な霊術だ。
「っ……!」
「今……!“霊縛陣”!」
思わぬ大打撃に、膝を付く“薔薇姫”。
その隙に蝙蝠化して逃げられないように陣で拘束する。
使った霊力の指向性は、もちろん聖属性。扱うのが苦手でも、この方が効果的だ。
「これで、終わり……!」
―――“Silver Bullet”
一つの魔力弾を生成し、それを膨れ上がらせる。
そして、砲撃魔法として、その魔力を放出。
“薔薇姫”を、光を秘めた闇色の極光が呑み込んだ。
「……倒した……かな」
姿はもう見えない。周囲から魔力も霊力も感じられない。
……うん、倒しせたはずだね。
「よし、出
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ