第5章:幽世と魔導師
第151話「激闘の一方で」
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、一進一退……いや、若干あたしが押される。
「(やっぱり、基礎的な力は上……!)」
いくら妖に変質し、本来のあたしではないとしても、その力は全盛期のまま。
……正攻法じゃ、どうやってもあたしは勝てない。
「(でも、だったら魔法を使うだけ!!)」
あたしの力は確かに全盛期には劣る。
でも、その代わりに今は魔法がある。レイピアを生成する特殊能力がある。
そして、優ちゃんに教わった魔法や霊術の応用法もある。
……それらがあれば、決して負ける相手じゃない……!
「はぁっ!」
「っ……!」
レイピア同士が大きく弾かれる。
その瞬間を逃さずに砲撃魔法を放つ。
“薔薇姫”がかつてのあたしであるならば、これは避けるか耐えるしかない。
そして、予想通り“薔薇姫”は避けた。
「そこぉ!!」
避けた所へレイピアと呪黒剣を繰り出す。
さらにそれを回避される前に、あたし自身も斬りかかる。
これで普通に回避する事は不可能。だから……!
「今っ!!」
“薔薇姫”は、蝙蝠になる事で回避するはず。
そこを狙い、あたしは魔力を薙ぎ払った。
一応射撃魔法に分類されるその魔法は、近距離を扇状に攻撃する事ができる。
つまり、蝙蝠になったばかりの“薔薇姫”には、効果的だ。
「ッ―――!?」
「さて……」
もちろん、これで終わるとは思っていない。
力を失っている時ならいざ知らず、全盛期の体なら……。
「っ……!」
……これで、倒れるはずがない。
当然ながら、無傷と言う訳でもない。
元の姿に戻っても、その姿はボロボロになっていた。
「……それに、ここからが本番って事だね」
このままであれば、あたしが普通に勝てただろう。
でも、そんなに上手く事が運ぶ訳がなかった。
「……瘴気。まぁ、妖に変質している時点で察していたけど」
妖と化したのなら、全盛期のあたしのそのままな訳がない。
確実に何かしらの力を得ているだろう。
“薔薇姫”が纏うその瘴気が、それを物語っていた。
「っ……!」
即座にその場から横に飛び退く。
すると、寸前までいた場所を黒い靄が通り抜けていた。
「なるほど、遠距離攻撃……だけじゃない……!」
すぐさまレイピアを振るい、“薔薇姫”の攻撃を受け止める。
“薔薇姫”の持つレイピアは、あたしのと違って瘴気を纏っていた。
「っ!?くっ……!」
「……!」
ギギギギィイン!!
鍔迫り合いになったレイピアは、瘴気に浸食されてしまう。
使い物にならないと判断して、咄嗟に後ろに飛び退く。
同時にレイピアを生成。牽制として一気に
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