暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第151話「激闘の一方で」
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「(……その結果が、これかぁ……)」

 結論から言えば、正しく幽世の還る事が出来ない。
 そして、大門が開かれた事で、残っていた“薔薇姫”と言う器に、妖としての霊力が注がれる事になってしまう。
 そうなれば、もはや目の前にいるあたしは、“薔薇姫”と言う式姫ではなく、妖と言う存在となってしまう。

「まったく、今になって出てきてこないでほしかったね……!」

 幽世に還れなかった、“式姫としてのあたし”の体。
 それは、大門が開かれるまで実体を持っていなかったのだろうけど……。
 こうなると分かっていれば、器を探していたんだけどなぁ……。

「(なってしまったのは、仕方ない。とにかく……)」

「―――――」

「(倒さないと……!)」

 蝙蝠になって、その場から離脱。
 すると、寸前までいた場所を、黒い剣がいくつも現れて貫く。
 あたしの得意技、“呪黒剣”だ。

「っ、ぁあっ!!」

 魔力弾を放ち、牽制する。
 同時に、上から斬りかかる。

「くっ……!逃がさない!」

 だけど、それらの攻撃は蝙蝠に変化する事で避けられる。
 そこを生成したレイピアを射出して狙う。

「はぁっ!」

 レイピアすら蝙蝠状態で避けられる。
 だけど、直接斬りかかる事で何羽か切り裂く事に成功する。

「……大したダメージはない……か」

「………」

 元に戻った相手……“薔薇姫”は、腕が少し切り裂かれていた。
 先ほど蝙蝠を斬った影響だろう。
 ……でも、それはすぐに治ってしまう。吸血鬼だからね。

「……我ながら、厄介だなぁ……」

 力を失っていた時ならともかく、万全のあたしは生存能力が高い。
 蝙蝠になれば自身の狙っていた攻撃は避けられるし、再生能力もある。
 一気に消し去るような、広範囲技でない限り、あたしをすぐに倒す事は出来ない。

「………」

「………」

 “薔薇姫”は、喋らない。
 妖の中には喋る者もいるし、大門の守護者……とこよちゃんも喋る。
 基本的に、人型は喋る場合が多い。
 それなのに喋らないのは、“あたし”と言う自我がこっちにあるからか、妖として変質した際に喋れなくなったか、それとも……。

     ッ、ギィイイイイイイイイイイン!!!

「っ……!!」

「……!!」

 一際大きな音が、聞こえてくる。
 優ちゃんと、とこよちゃんの刀がぶつかり合った音だ。
 それを合図に、地面に降り立ったあたしと“薔薇姫”はぶつかり合う。

「ふっ……!」

「ッ……!」

   ―――“闇撃”
   ―――“闇撃”

 レイピアを幾度もぶつけ合い、同時に霊術を放つ。
 闇色のそれは、相殺され
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