アインクラッド編
14.目的地
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たミーシャ」
やけに目をキラキラさせながら身を乗り出してくるミーシャがうっとおしくなったのか、アルトは途中で説明を中断した。話しかけられたとたんに、ミーシャは生き生きと喋りだす。
「分かった!その滝、麓の村にある川とつながってるんでしょう?」
「正解だ。繋がっている。・・・おそらく」
滝なんてあったか?とシルストは首をひねり、リヒティとクリスティナは信じられないと言いたげにマップを覗き込む。
「よく覚えてたね・・・私も思い出せないや。タクミ先輩は覚えてる?」
アンに聞かれて、タクミは無言で首を横に振った。
「僕の観察眼は、まだまだ及ばないらしい」
「慣れだ」
誰に、とは言わなかったが、アルトは正確に理解した。ふん、とタクミは鼻を鳴らす。タクミは意外と負けず嫌いなところがある。
「あはは。じゃあ皆、明日はアルトの考えに乗るとして、今日はもう寝ようか。読みが間違ってて圏外に出たらシャレにならないからね!」
「そうなったら、責任を取って俺が全部斬る」
アルトの本気とも冗談ともとれる発言に、ミーシャは声をあげて笑った。つられて皆も笑う。心なしかアルトの表情も、いつもより穏やかだ。
用意していた寝袋にくるまりながら、ミーシャは思った。
彼を放っておかなくて本当によかった、と。
翌朝、アルトの提案に従って全員滝に飛び込んだ。アルトの予想通り湖の滝は麓の村に繋がっていて、無事一方通行ではあるが、圏内から圏内に行くショートカットコースを見つけ出せたわけである。水面から顔を出した時、村のNPCが驚きで目を丸くしていたのはご愛敬である。
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