アインクラッド編
14.目的地
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よ」
「へぇ、そうなんじゃ。なぁ、そろそろ上がらん?お腹空いたわ」
「そうだね。今日はバーベキューだよ!」
ニコッと笑いあうと、アン達は岸に向かって泳ぎだした。
「いっちばーん!」
叫びながら、リヒティは水面から顔を出した。続いてタクミとアルトも顔を出す。
「2番」
「3番」
「よ・・・んばん」
いちばん最後に顔を出したナツは、がくりと岸辺に突っ伏した。
「俺が次奢るのかー・・・あんまり高くない所にしてくださいッスよ」
「ははっ、大丈夫だナツ。28層の主街区にある《ティチャカ》ってとこにしといてやるから」
「はぁ・・・ってそこ28層で一番高いところじゃないっすか!嫌ッス!」
「負けた人間に拒否権はない」
「えっちょタクミさん冷たくないッスか!?」
「そこは美味いって噂だ」
「アルトさんまで!奢る側に決めさせてくださいよ!」
そこで女子チームが水から上がってくるのを見たナツは、さっさと話を終わらせるべく自分も水から上がった。
「バーベキューの準備するんで!」
「あっこら逃げるな!」
ナツを追ってリヒティも水を散らしながら上がっていく。アルトとタクミは顔を見合わせ、やれやれと首を振った。
バーベキューの材料は、日常の狩りで溜まっていくモンスターの肉と露店で売られている色鮮やかな野菜、ナツ特性のバーベキューソースである。焼くのはセルフサービスだ。
「このお肉おいしいね。熊だったっけ?」
「これも美味しいですよ。鹿だったと思います」
女子は口々に感想を言い合うが、男子は何も言わずに黙々と肉を口に運んでいる。これが男女の差?とアンは首を傾げた。
みるみるうちに肉はなくなり、食後のお茶を飲みながらアンは天井を見上げた。小さな水晶が星のように煌めいている。
「綺麗ですね・・・」
「そうだね・・・楽しかった?皆は」
「そりゃあもちろん!」
ミーシャの問いかけに真っ先に答えたのはリヒティだった。それを追いかけるようにアン達も口々に「楽しかった」と言った。
「アルトは?どうだった?」
ただ一人、何も言っていないアルトにミーシャが言うと、アルトは一瞬目を逸らした。しかしすぐにミーシャを真っ直ぐ見つめて
「あぁ。楽しかった」
と言った。
「そっかそっか。来た甲斐があったねぇ」
ミーシャは満足そうに椅子にふんぞり返る。
「しっかし、帰るの正直面倒だよねー。今日はここに泊まるとして、明日どう帰ろう?」
「普通に来た道を帰るしかないんじゃないかしら」
「そのことなら、考えがある」
突然の提案に、全員アルトに注目した。アルトはウインドゥを開き、可視化して皆に見せる。
「ここが、クエストを受けた麓の村。そしてここが、今俺たちがいる湖。この湖は反対側で川になり、滝になって流れ落ちている。・・・どうし
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