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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
三大竜の終焉
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ことができる魔法・・・だが、同時に術者も全ての力を使い切り、息絶える・・・」

目を閉じれば最後、永遠に目覚めることのない悪夢・・・地獄の世界へと案内される・・・つまりは敵を確実に死に至らしめる究極の魔法。
だがそれは両刃之剣・・・相手を幻影のみで死に至らしめるには自らの魔力はもちろん、生命エネルギーを使い切り相手に夢を見続けさせなくてはならない。つまりは術者は自らの命と引き換えに、敵を道連れにするための最終奥義だ。

「やめろ!!グラシアン!!」
「イザベリーたちもそんなのは望んでいないぞ!!」

スティングとローグの必死の叫び。だが、グラシアンはお構い無しに魔法を続行する。

「スティング・・・ローグ・・・みんなに伝えてくれ・・・」

左目は完全に閉じ、右目だけが辛うじて開いているグラシアン。ティオスも同じ状態になっており、どちらが先に力尽きるかの我慢比べになっている。

「犠牲になった奴等(俺たち)のためにも、全員で生きてギルドに帰れ。キセキも忘れんなよ・・・」

そう告げた彼に仲間たちの声はもう届かない。通常もっとも最後まで活動を続けるはずの耳は完全に機能を失い、視界ももはや何も見えない。

「クッ・・・大した奴だ・・・」

そう言うとティオスは諦めたかのように目を閉じ、力なく地面に崩れ落ちる。彼にしがみついていたグラシアンも地面に落ちたのを感じ取ると、ホッと一息ついて、目を閉じる。

(そっちで会えるのかな?イザベリー・・・)

先立った仲間たちのことを思い浮かべながら眠りについた幻竜。その顔は死んでいるとは思えないほど、清清しいものだった・・・


















「完全なる滅竜まで、あと9人」

その頃北方に現れたアクノロギアは、一人の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の死を感じ取り、カウントダウンを進めていた。



















「グラシアン!!」
「おい!!しっかりしろ!!」

術者が死んだことにより魔力の球体から解放されたスティングとローグは大切な友を涙ながらに揺すっていた。だが、彼は一切の反応を示さず、冷たくなってしまっている。

「ふざけんなよ・・・おい・・・」

ボロボロと涙を抑えることもせずに青年に降りかかる雨のようにこぼし続けるスティング。普段冷静なローグも、目頭を赤くさせ、顔を俯かせていた。

「俺たち・・・三大竜なのに・・・お前がいなくてどうすんだよ・・・」

やっと仲間の大切さに気が付いた一年前・・・それからずっとお互いを支え合ってきた友の死に、冷静さを保っていられるはずもない。
二人は地面にへたりこみ、大粒の涙を溢していた。


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