三大竜の終焉
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るグラシアンの顔から笑みがこぼれた。それがどういうことなのか一瞬理解ができなかったが、すぐにわかることになる。
ピカッ
突如光出すティオスの足下。それは先程描いていたグラシアンの魔法陣の書きかけ。
「引っ掛かったな、ティオス」
「これは・・・」
書きかけに見えていた魔法陣。しかし、それは彼の狙い通りだった。大雑把であるが故に未完成に見えていたそれは実際には必要最低限度の言葉だけを繋ぎ合わせた、中に入ったものの動きを封じ込める魔法。
「なるほど、これは騙されたな。だが、そんなの意味がないぞ」
わざとらしく魔法陣を描き始めたことによりティオスが隙を突いてくるのを狙っての行動。だが、ティオスは魔力を高めていくと、それを力業で破ろうとして来た。
「あいつ!!マジかよ!!」
「魔法陣を無理矢理破るつもりか!?」
見ていたスティングもローグも目を見開かずにはいられない。グラシアンの書いた魔法陣は最低限しか書いていないため効果は薄い。しかし、それを差し引いても破ることなど普通の魔導士にはできない。
ビキビキ
だがこの男にはそれは関係なかった。魔法陣から溢れ出る光が点滅し始める。魔力を高めていくティオスの力により、破られようとしているのだ。
「っおおお!!」
声を張り上げ魔法陣を打ち破ったティオス。万事休すかと思われたその時、グラシアンはティオスに飛びかかった。
「俺の目を見ろ!!」
「!!」
全身に力が入っていた状態から脱力した瞬間を狙って飛びかかったグラシアンはティオスのフードを上げて彼の目と自分の目を近付ける。グラシアンの目が赤く輝いたかと思うと、ティオスの動きが鈍くなっていく。
「この魔法・・・覚めない悪夢か!?」
グラシアンの魔法に心当たりがあったティオスは彼を引き剥がそうと懸命に腕を伸ばすが、その動きがどんどん遅くなっていき、彼の腕を掴んだところで完全に制止する。
(スティング・・・ローグ・・・お嬢・・・ユキノ・・・みんな・・・)
懸命に魔法を撃ち破ろうとするティオスに負けじと魔力を高めて破られまいとするグラシアン。彼の頭の中に多くの人たちが浮かび上がる。
その彼の最後に思い浮かんだのは、虎のような模様の猫だった。
(キセキ・・・力を貸してくれ!!)
額をぶつけ合わせ目を最大限近付けるグラシアン。すると、懸命に開いていたはずのティオスの目が徐々に閉じていくではないか。
「貴様・・・正気か・・・」
「あぁ。悪いな」
目を閉じまいと抵抗するティオスと徐々に細くなっていくグラシアンの目。両者は至近距離でのにらみ合いを演じていた。
「自らの全ての生命エネルギー、魔力で相手に永遠の悪夢を見せる
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