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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第255話 思い出の場所
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が汚れてきつく怒られてしまうから 滅多な事は出来なかった。
だから、ユウキたちの家族の思い出は深い憧憬を伴って胸に響いてきたんだ。
「じゃあさ。こんど22層の私かお姉ちゃんの家でバーベキューやらない?」
不意に玲奈が声をかける。
もう、失ってしまったものは 元には戻らない。なら、自分達に何が出来るだろうか。
そう――未来になる事。楽しい事を、新しい思い出になることを沢山する事だ。
『わ、それいいねー! すっごく楽しみ!』
「レイ、ナイスアイディア! バーベキューパーティーだね。わたしの友達も、シウネーたちもみーんな呼んで盛大にやろうよ」
『ふふふ。私もとても楽しみです。あ……準備はしっかりとしないといけませんね? ジュンやタルケン達が『まいった』と言うくらいは』
「えー、それってあの2人がそんなに食べるって事??」
『あははははっ。うん。むっちゃくちゃ食べるよー。あの
身体
(
アバター
)
の何処に入るのー? って思っちゃうくらい。四次元空間ってヤツだね』
あはは、と笑いあった後、再び家を視線に戻してゆっくりとつぶやいた。
『今ね……、この家のせいで親戚中大揉めらしいんだ』
不意に呟いたその言葉には、寂しさを滲ませられていた。
いつもなら、ユウキには言葉足らずな所があるから 直ぐに補足にランが付け足して……と言うのが基本だったが、この時ばかりはランは遅れていた。だが、直ぐに口を開く。
『その、ここを取り壊してコンビニにする。更地にする。貸家にする、等上がっているそうです。私達の財産……と言う事になってますが、管理費や維持費等金銭的な問題もあって、それなら親戚の人達が有効利用した方が有意義だと。何度も説得に来られました。……それに遺言も書け……とも』
その重すぎる言葉に思わず息を止めてしまう。
人の心が無いのか? 思い出まで踏みにじる様な事をするなんて、そんなことをする親族がいるなんて……と 強い憤りも感じたが、完全に否定する事が出来なかった。
何故なら 正確には身内ではない……が、自分達にも心当たりがあるから。人の心を弄ぼうとした男がいた事を。
『だよねー。あの手この手で躱して躱して〜 ってやっちゃって、結構怒ってたもんね? あのお姉さん』
そんな中、ユウキは陽気に笑っていた。
話の内容が内容だけに、心が痛む案件だと思っていたのに それでもユウキは笑っていた。この子達には そう言う強さもあったんだ。だからこそ、ここまで強くなる事が出来たんだ。……奇跡とさえ思える事まで呼び込める程に。
『病院に頻繁に来られた時は流石に参りました。周りの先生方にも迷惑になってしまいますし……』
『うんうん。……もうそろそろ根負けしないとかな、って思っちゃってるんだ
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