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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第656話】
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あれから十五分、適当に散歩していた一夏だったがヒルトの部屋に入っていった箒が気になって戻ってきた。
勝手知ったるヒルトの部屋――そんな暢気に勝手に部屋に上がろうと考えていた。
通路をまがると、ちょうどドアが開き、箒が出てきた所だった。
「よぉ、箒」
「……!! い、一夏か」
「ん? 何か顔が赤いな、どうしたんだ?」
箒の顔が赤いのに気付いた一夏、熱でもあるのかと思い手を出したのだが――。
「な、何でもないから! あ、あまり不用意に触らないでくれ……」
「ふーん。 風邪じゃないならいいんだけどな」
さっきまでヒルトとキスをしていたなんて言えるはずもない――しかも、見送りの時は自分からヒルトにキスをしたのだ。
既に箒の心の中の大部分がヒルトで占められている。
「よ、用がないのであれば私は部屋で精神統一したいのだが……」
「あ、お、おぅ。 ヒルトの部屋で何してたんかなって気になっただけだから」
「……!! な、何もしてなどいない! す、少しISの事で質問があっただけだ!」
「ふーん……。 てか、あいつISランク俺より低いだろ? 何か聞くような事でもあったのか? 聞くなら俺でも良いんだぜ、箒?」
「……済まないが、一夏に聞きたいことは無い。 ……というよりも、私と一夏は出遅れているのだ。 現に一夏は今日笹川に負けただろう?」
箒の指摘に、苦虫を潰した表情になった一夏。
「ま、負けたって言っても一回だけだし。 勝負は時の運って言うんだし、次は俺が勝つさ」
何の根拠があるのか、自信がある一夏にじっと見つめる。
前は何を言ってもカッコいいと思った、男らしいとも思った。
負ける事はあっても、諦めずにまた立ち向かう所がカッコいいと思った。
だけど――百年の恋から醒めた箒が今見てる一夏は、虚栄を張る小さな男にしか見えなかった。
「……そうか、頑張るのだな……一夏」
「おぅ!」
――さようなら、私の初恋。
また時間が過ぎ、成樹がやっと女の子達から解放された頃。
「お疲れ、成樹」
「あ……やあヒルト。 お疲れ様」
「はは、流石に疲れが見えるな」
笑顔は絶やさないが、疲労の色が見える成樹。
「喫茶店でお客様の相手をするより大変だったよ。 ……やっぱり、僕は当面恋愛はしない方向かな」
「そっか。 まあ成樹らしいな」
「うん」
近くに備え付けられたソファーに座った成樹、ヒルトも隣に座ると――。
「初の模擬戦、どうだった?」
「ん? ……初戦だから負けるかなって思ったけど。 運も良かった
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