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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第656話】
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の散歩の後に聞けば良いかと思い、散歩を続けるのだった。

 部屋に入った箒、促されるままベッドに腰掛けるとヒルトも当然のように隣に腰掛ける。

 距離の近さにドキドキする箒――。


「んで、俺の部屋の前でどうしたんだ? 俺に用事だったんだろ?」

「あ、いや……その通りなのだが……。 うぅ」

「ん? もしかしてまだ気にしてるのか? 俺に色々言ったのとか」

「…………」


 小さく頷く箒、それを見たヒルトは頭を掻くと――。


「あんまり気にしてばっかだと、胃に穴が空くぞ?」

「う、煩いぞ! ち、ちゃんと誠意を見せたいと思ってるだけなのだ!」

「ははっ、誠意も何も箒は謝っただろ? それで俺は納得した。 だからもう俺は気にしないし箒も気にしない。 わかったか?」

「こ、事はそう単純では無いのだ!」

「……全く、頑固だな」

「……煩いのだ……」


 小さく唇を尖らせた箒、ヒルトはそれを見て意地悪してみることに――。


「あんまり気にするなら……。 その唇、塞ぐぞ?」

「む? 唇を塞ぐ――……!!」


 気付くとヒルトの顔が近くにあった。

 それだけで心臓の鼓動が速くなる――。


「ち、近い……顔が近いのだ……」

「ははっ、だって唇を塞ぐつもりだし」

「き、きき、キスはダメなのだ! こ、心の準備というものが――」

「何だよ、夏は一夏とキスしかけたんだろ……?」

「そ、そうなのだが……」


 何とか誤魔化そうとする箒だったが、自分の手が無意識にヒルトの手に重ねてしまった。

 ヒルト自身はそんなつもりはなかったのだが、重ねられた手の温もりと箒の唇を見て――。


「……これで蟠りがなくなるなら……って思うけど?」

「し、しかし……。 うぅ……」


 紅潮する頬、高鳴る鼓動――箒の頭の中にちらついていた一夏の陰影……。

 ヒルトは思いきって箒の腰を抱くように腕を回すと、より密着する形となり、箒の頭は真っ白になってしまう。

 流されては……そう思う箒。

 だけど一夏に求めていた温もりが今傍にあり、昔の想いも陰りを見せ始めていた箒は――無意識に上顎をあげ、瞼を閉じた。

 そして――ヒルトは箒と唇を重ねる。

 唇が触れ、箒はヒルトの首に腕を回すと互いに何度も何度もキスを繰り返す。


「ん……ちゅ……んふ……ひ、ると……」


 部屋に響くリップ音が聴覚を刺激し、互いの荒い吐息、重ねる度に絡み合う唾液の音、そして自然と舌を絡ませる。

 ヒルトも箒も暫く深くキスを続け、二人だけの時間を過ごした。


「……箒のやつ、まだヒルトの部屋に居るのか?」


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