ペルソナ3
2003話
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うにかなり弱まっているように感じられる。
それこそ、いつもの凛とした雰囲気を身に纏った桐条家の長女という立場ではなく、桐条美鶴という、1人の女としての美鶴。
「何を考えているのか、か。正直それは俺も知りたいところだな」
薄らと瞳に涙を浮かべている美鶴にハンカチを渡しながら、そう告げる。
実際のところ、幾月が心の底で何を考えているのかというのは、俺にも分からない。
ただ……それでも予想するとすれば、タカヤを助け出した事か。
破滅願望を抱いていると思われるタカヤだけに、色々と洒落にならない事を考えている可能性は否定出来ない。
そうである以上、そのタカヤを助けた幾月も、そんなタカヤと似たような事を考えているのは間違いなかった。
もっとも、これまでの幾月の性格から考えると、恐らくタカヤ達と本当の意味で手を組むのではなく、あくまでも戦力として利用しようとしている……といったところだろうが。
S.E.E.Sや俺達という戦力を使えなくなった以上、幾月は新たな戦力が必要となった。
それが、タカヤ達。
「ともあれ、幾月が何を考えていようと、俺達がやるべき事は変わらないだろ? ようは、今まで通りイレギュラーシャドウを倒して、影時間を解決させる。……それだけだ。違うか?」
「それは……そうだが……アクセル、君は……強いな。羨ましい。全く、こうして1人で嘆いて、そして悲しんでいるのが馬鹿らしくなってくるくらいだ」
そう言い、美鶴は隣に座っている俺の肩に寄りかかってくる。
まだ秋と呼ぶには厳しい暑さを持つだけに、美鶴も夏らしい服装……つまり、それなりに身体が露出している格好だ。
そんな格好で俺に寄り掛かってくるのだから、当然のように美鶴と俺は密着し、身体と身体が触れあう事になる。
「思えば、4月から……いや、それ以上前から、私はアクセルに助けられてばかりなような気がするよ」
「そうか? お前もS.E.E.Sを率いる立場として、十分立派にやっていたと思うけどな」
「ふふっ、それはアクセルがいたからだよ。実際、タルタロスの攻略に関しても、私達は殆ど何もしていない。門番シャドウを倒しているのは、全てアクセル達だ。……もし、アクセルがいなければ、恐らく私達はタルタロスをここまで攻略出来たかどうか」
「問題なく、攻略出来たと思うぞ」
これはお世辞でも何でもなく、純粋に俺の本心からの言葉だ。
そもそも、この世界の原作では恐らくタルタロスという存在に美鶴達も挑んでいた筈だ。
俺が介入した事により、ゆかり、コロマル、荒垣がS.E.E.Sではなく、俺の仲間として行動している。
いやまぁ、荒垣は天田の件もあってS.E.E.Sに戻ったが。
ともあれ、ゆかりとコロマルはどちらも非常に優れたペルソナ使いだ
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