第三章
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「それでもなの」
「何言ってるの、ジュースの方が危ないのよ」
「お菓子よりもね」
「そっちの方がトータルで糖分多いのよ」
「お菓子は一個一個だけれどジュースとかはごくごく飲むじゃない」
「しかも麻里子ちゃん水分摂取多いし」
動いていて汗もかくからである。
「その分よ」
「甘いお酒のせいよ」
「そこにジュースもプラスされてね」
「それで三キロ太ったのよ」
「絶対にそうよ」
「脂肪率だし」
体重計を見ればそれも出ていた、三キロ太った分だけ脂肪率も増えていた。これを見れば明らかであった。
それでだ、麻里子は父に言われた言葉を思い出して友人達に言った。
「甘いお酒も考えものね」
「だってその甘さって糖分だし」
「甘い分糖分が入ってるから」
「糖分イコール太るだし」
「そこは注意しないとね」
「そうね、ジュースだってね」
深刻な顔で頷く麻里子だった。
「甘いし。これからは注意するわ」
「さもないともっと太るからね」
「三キロだとまだ何とかなるけれど」
「これからダイエットしたらね」
「ええ、いや甘いものはそれ自体が罠ね」
麻里子はタオル一枚身体に包んだ姿で言った、他の友人達も同じだ。
「よくわかったわ、それじゃあね」
「ええ、これからはね」
「甘いものには注意よ」
「お酒でもね」
友人達もこう言う、麻里子はこの日サウナでじっくりと汗をかきそうしてだった。次の日からジュースを控える様になり運動の量を増やした。ダイエットの間酒も飲まなかった。そうして三キロのダイエットを達成してだった。
麻里子は甘い酒についてはこれまでとは違い考えて飲む様になった、むしろ甘くても梅酒やそうしたワインを飲む様になった。
それで家で甘めのワインを飲んでいる麻里子にだ、父は笑って言ってきた。
「わかったみたいだな」
「ええ」
麻里子はグラスで赤ワインを飲みつつ父に答えた、肴はチーズだ。
「よくね」
「そうだな」
「甘いお酒には罠があることがね」
「太るからな、下手に飲むと」
「そうね、もうジュースはあまり飲まない様にしてるし」
「甘いお酒もだな」
「考える様にして飲んでるわ」
今の様にというのだ。
「ワインや梅酒を増やしてね」
「そうした方がいい、甘いものにはな」
父はケーキを食べつつ娘に言った。
「御前が今言った通り罠があるんだよ」
「食べ過ぎたら太るのね」
「そうさ、わかったらいいな」
「ええ、これからは考えて飲むわ」
ワインを飲みつつ言う麻里子だった、そのワインは甘く美味しいがそれでもいささか苦く渋い味がした。
スウィートトラップ 完
2018・3・22
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