第一章
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張らないと駄目ね」
「サッカーもね」
「そう、十番と十一番はよ」
母は阪神のもう一つの聖なる背番号も話に出した。
「特別だから」
「それでよね」
「そう、二十三番はないわよね」
「ええ、高校のサッカーでは普通はね」
「この背番号もいいけれど」
阪神タイガースにおいてはだ、ニ十三は吉田義男のもので十一は村山実のものだ。この二人も阪神の伝説の名選手だ。
「十もだから」
「それで絶対にね」
「そう、背番号に恥じないサッカーをしなさい」
「正直羨ましいし」
姉はまた言った。
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