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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第43話 『手加減』
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よ」
「そういうこと」


 フェイトとなのはは笑顔で答えた。


「あ、でも先生、さっき見えないときもあるって言ってましたが、それでも対処できたのはどうしてなんですか?」


 ティアナはその説明を彼がしていないことに気づいた。


「それは、私が教える階級段階を過ぎているため教えられないからです」
「……え」
「それは私でも無理なんですか?」
「はい。ナカジマ二等陸士でもできません。これからの経験の中で掴んでいくしかできません」
「それは、アタシら、コイツらにも無理なのか?」


 ヴィータやなのはたちも参加してきた。
 コタロウはエリオとキャロを見比べると、


「もし教えられるとしたら、キャロになります」
「え、私ですか?」


 コクリと頷く。


「ネコ先生、説明お願いします!」
「死線との距離が見えていないからです」
『……??』


 結論からでは新人たちは理解ができなかった。


「コタロウさん、危険の及ぶ範囲でなければ見せていただいてもよろしいですか?」


 なのはが促すと、コタロウは頷き自分の前に全員を並べさせた。


「始めに体験していただきますが、つまり……」


 言葉を途中で止めたかと思うと、(おぞ)ましく禍々しげで、敵意に満ちて、激しい恐怖感情に狩られるほどの気配が正面の無表情な男から(ほどばし)った。
 並んだ人のうち、一人を除いて全員がその恐怖感に耐えられずほぼ衝動に近い形で変身し正面の男に構え、大きく息を吸い込み威嚇する。


「と、このように自分の死線の境界を判断できる場合、特に武装局員の場合は、この『殺気』に自らの恐怖を振り払い踏み込んでくるのですが」
『……』


 彼がその『殺気』を消していくまで全員警戒を解くことはなかった。


「い、今のは……?」
「『殺気』を意識して出せるのか」


 バリアジャケットも解き手のひらを一度強く握って身体の状態を確認して口を開いた。


「私は6歳まで山中にいましたので、獣から学びました」


 彼はそういうと、殺気を放った中で一人だけ身構えることをせず、倒れた人物に近づく。


「話が逸れました。話を戻しますと、まだ死線を自分では掴めていない人は恐怖に従い限界を超えると気絶してしまいます。もちろん、恐怖の質によって違いはありますが」


 コタロウは気付けを行い意識を取り戻させる。


「……うーん。あ、あれ?」
「体調はいかがですか?」
「だ、大丈夫です」
「キャロ、大丈夫?」


 ゆっくりと立ち上がりフェイトは大きく深呼吸をさせた。


「キャロ、申し訳ありませんが、よろしいですか?」

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